純文学の世界をメディアアートに-写美で「文学の触覚」展

穂村弘「火よ、さわれるの」+石井陽子「情報を降らせるインタフェース」 (2007年) 協力=NTTサイバーソリューション研究所

穂村弘「火よ、さわれるの」+石井陽子「情報を降らせるインタフェース」 (2007年) 協力=NTTサイバーソリューション研究所

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 小説の中で描かれた風景や古典作品へのオマージュを視覚化し、純文学とメディアアートの「接点」に迫る企画展「文学の触覚」が12月15日より、東京都現代美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)で開催されている。

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 通常は読む人のイマジネーションに委ねられる文学作品の世界観が、メディアアートとの「コラボレーション」で視覚化された。同展は、東京都写真美術館が映像メディアのアート、テクノロジーを対象に展開する展示シリーズ「映像工夫館」の一環。共に現代に活躍する作家とメディアアーティストが組み、映像作品などさまざまな形態で文学の世界を表現する。

 展覧会は、講談社の文芸雑誌「群像」とNHKエンタープライズの企画・協力を得て3つの要素で構成。各パートに沿い、小説家とアーティストが新作プロジェクトを公開している。エッセーや短歌などのフレーズを視覚化したのは、石井陽子さんの作品「情報を降らせるインタフェース」。現代短歌の旗手として活躍する稲村弘さんの作品が、石井さんによる「手のひらインタフェース」と融合し、手の平に文字を浮き上がらせる。

 小説内の世界を再現するパートでは、現代美術家・森村泰昌さんが自決直前の三島由紀夫を演じた「なにものかへのレクイエム(MISIMA)1970.11.25-2006.4.6」を公開。谷崎潤一郎の代表作「陰翳礼讃」に着想を得たCGアーティストの森野さんは、同作の世界観をモーショングラフィックスと映像作品で現代によみがえらせた。

 会期中は同館に収蔵されている貴重本なども展示するほか、関連イベントとして出品作家によるトークやフロアレクチャーも展開する。

 会場は地下1階映像展示室。入場料は、一般=500円、学生=400円ほか。来年2月17日まで(月曜休館)。

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