公園通り・渋谷区役所近くに店を構え、30年以上にわたり営業を続けてきた老舗ラーメン店「チャーリーハウス」(渋谷区神南1)が年内で閉店する。
透き通った琥珀(こはく)色のスープと、こしのある細めんで長年親しまれてきた渋谷の名店が、32年の歴史に幕を閉じる――NHK放送センターの移転や、後にオープンする「ビームス」の出店などで街全体が変貌を遂げつつあった神南地区の一角に、チャーリーハウスがオープンしたのは1975年(昭和50年)のこと。高級中華料理店の元シェフで「チャーリー」の愛称で親しまれた主人が一代で創業した。
店の看板にもなっているしょうゆ味のさっぱりとした「広東麺」がうりで、湯麺と書き「トンミン」と呼ばれるラーメンを、32年間変わらず出し続けた。正統派のネギそば「茶莉(チャーリー)湯麺」をはじめ、一番人気の豚ロースから揚げ湯麺(排骨湯麺)やチャーシュートンミン(叉焼湯麺)は、めんと具を別皿で提供するスタイルも特徴で、定食メニューや腸詰めなどの一品料理も親しまれた。
名物主人はすでに調理場を離れているものの、現在もレンガとウッドを基調にしたモダンな内装や、落とし気味の照明、開店当初からある中国老人のポスターなど、店内の雰囲気は変わらない。今回、店を支えてきた夫人が高齢になったことなどを理由に店を閉じることになったという。
営業は12月28日まで。