渋谷の無料レンタル傘「シブカサ」プロジェクト始動へ

渋谷センター街を練り歩く「シブカサ」メンバーの学生グループ(写真)。レインボーカラーの衣装でプロジェクトをアピールした

渋谷センター街を練り歩く「シブカサ」メンバーの学生グループ(写真)。レインボーカラーの衣装でプロジェクトをアピールした

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 渋谷の街に忘れ物として放置されたビニール傘を再利用し、無料レンタルするプロジェクト「シブカサ」の活動が本格始動した。

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 日本洋傘振興会によれば、日本の傘消費量は年間約1億2,000万本と世界一。うち約6,000万本に上ると言われるビニール傘を有効活用することで「渋谷をちょっとイイ街にしよう」との思いから始まったのが、同プロジェクト。都内の大学生グループで組織する学生社会企業プロジェクト「SOL」が企画した。

 プロジェクトは、渋谷エリアの協力店舗に「シブカサ」を置き、傘を返却すると地域通貨「アースデイマネー」がもらえる仕組み。傘1本の返却につき配布されるアースデイマネー「50r」(50円相当)は、参加店舗などで割引サービスなどに利用できる。廃棄の対象となっていたビニール傘のゴミ問題を解決し、地域通貨を通じて社会貢にも参加できる「まちづくり型」エコプロジェクトとして、渋谷を訪れる若者や買い物客らに参加を呼びかけている。

 現在、「シブカサ」設置店となっているのは、カフェ「アンテナ」(渋谷区渋谷3)など5店舗。近隣のコンビニエンスストアなどで廃棄対象になった傘を回収し、東京工芸大学の学生がデザインしたステッカーを貼り、傘をリニューアル。今後は、シブカサの取り組みにも採用した「アースデイマネー」参加店を中心に設置店を広げ、ビニール傘の回収にも着手する。

 週末の買い物客らでにぎわう12月2日午後には、プロジェクトを企画したメンバー約20人がレインボーカラーの衣装に身を包み、「再生」した傘を広げながら渋谷と表参道の街を練り歩いた。プロジェクトを主導するSOL代表で青山学院大学2年生の末原弘喜さんは、プロジェクトを始めたきっかけについて「渋谷はボランティアや地域貢献に関する動きが活発。自分たちもその動きに参加できればと考えた」と話す。

 今年5月に発足したSOLではこれまで、企業を通じ社会貢献を学ぶ試みとして、起業家へのインタビューを掲載するウェブマガジンや交流会などの企画を実施してきた。初の本格的プロジェクトとなるシブカサプロジェクトを、今後は書店やアパレル店舗などにも広げていきたいと考えている。

 国連大学「地球環境パートナーシッププラザ」(神宮前5、TEL 03-3407-8107)では12月21日まで、ビニール傘の回収を行っている。

シブカサ学生社会起業プロジェクト「SOL」ギャル100人が「マイはし」片手に渋谷をパレード(シブヤ経済新聞)

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