「センター街ではダンスを」「道玄坂では競輪を」――ナイキジャパンと早稲田大学は、起伏に富んだ渋谷の街をさまざまな競技の舞台に見立て、スポーツの楽しさを訴求する企画段階のプロジェクト「スポテン」の概要を、10月31日に開幕した「東京デザイナーズウィーク2007」(主会場=神宮外苑絵画館前)で発表した。
企画は、会場内貨物コンテナを使って行われる「コンテナ展」の中で、企業と学生が共同で手がける「産学協同プロジェクト」(サンガク展)の1作品として発表されたもの。ナイキジャパンが設定したテーマに沿って早稲田大学建築学科の学生が企画したアイデアが採用され、発表に至った。
プロジェクトでは「東京」の街とスポーツする若者に焦点を当て、新しいアイデアやコンセプトを提案。早稲田大学のコンテナでは、40フィート貨物コンテナ内に100分の1サイズの模型で渋谷の街を再現。模型は宙に浮くようなかたちでコンテナ内の上部に設置し、入場者は一部に空いた穴に頭を入れると、ミニサイズに縮尺された渋谷の街を一望できる仕組み。
模型上には、坂道を利用したスキーや駅前ロータリーでのトラック競技、交差点前を使った卓球など、さまざまな種目を楽しむミニチュア人形の姿も。同大では、スペイン坂で行うスケートボード競技、タワーレコード前で行うビーチバレー、東急ハンズ前の坂道で行うBMXなど具体的な例も挙げながら、「ホコテン(歩行者天国)」ならぬ「スポテン」を提案している。
約10人のプロジェクトチームをまとめる同大理工学術院・創造理工学研究科2年の坪沼一希さんは企画について「さまざまな人が集まる渋谷の風景を一変させられたらと考えた」と話す。具体的には未定だが、今後はプロジェクトの実現の実現に向けて各方面に呼びかけていく計画もあるという。会期中は、ネーム入りチケットを貼り付けられるボードをコンテナ内に設置し、来場者にもプロジェクトへの賛同を呼びかける。
ナイキジャパンは今回、東京工芸大学との共同プロジェクトも発表。産学が一体となったサンガク展には、チーム・マイナス6%(環境省)&ソトコト、セコム、三陽電機などの企業、団体も参加している。東京デザイナーズウィークは11月4日まで。入場料(メーン会場)は2,000円。