世界中で「ヘドウィグ」ブームを巻き起こしたジョン・キャメロン・ミッチェル監督らが先頭に立ち、レズビアン、ゲイなどの性的マイノリティーの青少年ためにチャリティーアルバムを制作したプロジェクトを追う新作ドキュメンタリー「ヴォイス・オブ・ヘドウィグ」(キャサリン・リントン監督)が9月22日より、渋谷「ライズエックス」(渋谷区宇田川町、TEL 03-3464-8555)でロードショー公開されている。
ニューヨーク、イースト・ビレッジには、20年前から「LGBTQ」(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィアの略称)の青少年たちが通う専門施設がある。1977年サンフランシスコ市の評議委員に当選し、米国で初めてゲイをカミングアウトしたハーヴェイ・ミルクさんの名前を冠した同校は、2003年に晴れて公立高校となり、LGBTQの入学希望者たちを積極的に受け入れている数少ない高校。同作では、同校の理念に賛同しチャリティープロジェクトを立ち上げたミュージシャンやアーティストたちの活動を追う。
ミュージカル、映画が世界的ヒットを記録した「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を生んだジョン・キャメロン・ミッチェル監督らがその先導者。音楽プロデューサーのクリス・スルサレンコさん、オノ・ヨーコさんをはじめ、シンディー・ローパーさんやヨ・ラ・テンゴなど世界の「個性派」ミュージシャンも集まった。
チャリティーアルバムは、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のナンバーをそれぞれのミュージシャンがカバーするもの。ドキュメンタリーでは、同校に通う4人のLGBTQの生徒にも焦点を当て、プロジェクトの全容に迫る。配給はアップリンク(宇田川町)。シネマライズ(TEL 03-3464-0051)では現在、ミッチェル監督の最新作「ショートバス」も公開中。