渋谷パルコ(渋谷区宇田川町)は10月27日、同パート1・6階に新コンセプトの情報発信スペース「パルコファクトリー」を開設する。同スペースの開業に伴い、2002年から営業を続けてきた「パルコミュージアム」(パート3・7階)は閉館。パート1・地下1階の「ロゴスギャラリー」とも連動しながら多様な企画を発信し、渋谷パルコ全体の集客につなげる。
ファクトリーでは「展示」にとどまらず、企画が生まれる現場を「魅せる」空間を目指す。拠点を開くパート1・6階は、同館5階とともにメンズのファッション・雑貨が集積するフロア。広さ約165平方メートルのシンプルな空間で「あらゆる企画にフレキシブルに対応」(パルコ宣伝局)。ファッションをテーマにした企画やテナントとの連動企画も積極的に行う。
これを受けて、パート3・7階のパルコミュージアムは10月14日に終了する企画を最後に、営業を終了。約5年間の歴史に幕を閉じ、同施設の流れを新拠点に継承する。同ミュージアムがオープンしたのは、2002年10月。パート1・地下1階にあった「パルコギャラリー」を閉鎖し、催事スペース「スクエア7」を増床、リニューアルするかたちで開いた。
ミュージアムでは、こけら落としとなった篠山紀信写真展「Tokyo Addict」をはじめ、60近い企画展を開催。国内外の気鋭写真家による個展や映画話題作の公開記念企画、ミュージシャンとの連動企画などを次々と発信してきた。クマ型フィギュア「BE@RBRICK(ベアブリック)」などの人気商品で知られる玩具メーカーのメディコム・トイ(上原3)とは、オープン以降4回にわたりエキシビションを開催。2005年に開催した「カミロボ」展も話題を集めた。
渋谷の中心エリアにあるファッションビルの中核として、アートやカルチャー情報の発信も積極的に続けてきた渋谷パルコ。新拠点の誕生で、今後どのような企画が生み出されるかが期待される。パルコファクトリーのオープン第1弾は、クリエーティブチーム「DEVIL ROBOTS」による企画展を予定している。