渋谷の街を「キャンパス」に著名クリエーターや文化人らが無料講座を開き、地域密着型の取り組みを続けてきた「シブヤ大学」が、9月で開校1周年を迎える。
シブヤ大学では、渋谷エリアに集まるさまざまな分野の人材やカルチャーに着目し、ジャンルを絞らずさまざまな講義を展開。「シブヤ大学学食に行こう」と題した企画では実際に店に繰り出し、ミュージシャンによるクラスでは渋谷・タワーレコードを教室にするなど、内容によって人もスタイルも異なる講座を自由に受講できるのも、人気を集めている要因。
大学自体は学校教育法で指定される「大学」ではなく、NPO法人として運営。渋谷サービス公社の教育プログラムの一部として「市民大学」のかたちを取る。立ち上げたのは、1979年生まれ、福岡県出身の左京泰明さん。左京さんは早稲田大学卒業後、大手商社を経た後に渋谷区議会議員の長谷部健さんが代表理事を務めるNPO法人グリーンバード(神宮前6)に所属し、独立。「日本有数の情報発信地である『シブヤ』で、新しい教育の仕組みを創る」と意気込む。
通常授業は昨年9月より毎月第3土曜に実施。今年2月には年に1回の「集中講座」も開講した。累計講座数は90、参加した講師の数も約100人に上り、開校当初、初年度の目標に掲げていた年間受講者数5千人も、8月時点で5,158人と上回った。
9月15日、16日には前期集中講座を開講。2日間で全17講座を開く。内容は、伊藤忠商事との提携し環境について考える「MOTTAINAI学科」(15日)、パントマイムユニット「が~まるちょば」による実演講座(15日)、アートディレクター、ヒロ杉山さんの「イラスト・コミュニケーション術」(16日)など。いずれも要予約。
1周年特別イベントとして同15日・16日には、表参道ヒルズ周辺でごみ拾いやマーケットなどの企画も展開する。