横尾忠則さんらと並び日本を代表するイラストレーターとして知られる宇野亜喜良さんの個展「宇野亜喜良/AQURAX展『グリムの森で』」が8月31日、渋谷・ロゴスギャラリー(渋谷パルコ・パート1、TEL 03-3496-1287)で始まった。
展示は、「グリム童話集」を元に宇野さん自ら企画した舞台「ティンゲルグリム~眠れぬ森のおどけ奇譚~」(10月上演)との連動企画。舞台では、グリム童話独特の世界観をさまざまなイラストやスケッチで表現。俳優、音楽家などのスタッフとともに新たな「劇空間」に挑むという。
同展では舞台とシンクロし、「森」をイメージした作品を中心に紹介。描き下ろしのイラストやイメージスケッチの原画など貴重な資料も併せて展示する。作品は、森をイメージした新旧の原画や「森から飛び出した指人形」など。ポストカードやポスターなどのグッズも販売する。
会場では企画に伴い、宇野さんの活動も振り返る。舞台や書籍などの制作で昨年親交を深めたという出版社「アートン」(新宿区)とともに立ち上げたブランド「AQUIRAX」の商品は、カップ&ソーサーやトートバッグ、Tシャツなど。過去の絵本では「エスカルゴの夜明け」「美女と野獣」(ともにアートン刊)などを販売する。
同2日には宇野さんによるライブペインティング・イベントを開催。8日には舞台出演者らをゲストに招きトークイベントを行う。両イベントともに整理券が必要。入場無料。9月12日まで(最終日は17時に終了)。
宇野さんは1934年名古屋生まれ。高校卒業後、会社勤務を経て1965年に横尾忠則さん、和田誠さんらとともに「日本イラストレーターズ・クラブ」を設立。ポスターなど舞台の宣伝美術や書籍の挿絵などでイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍するかたわら、舞台美術、芸術監督なども務める。