ニューヨーク近代美術館(以下MoMA)は11月、表参道に米国外初進出となるミュージアムショップ「MoMA Design Store」日本1号店(渋谷区神宮前5、TEL 03-5468-5801)を開設する。「エスキス表参道」(2006年1月に閉鎖)跡地に建設中の新商業施設「GYRE(ジャイル)」ビル3階に出店し、NYのストア同様、MoMA限定商品などを含む約1,800アイテムを取りそろえる。
日本進出にあたっては、2004年にMoMAオンラインストア日本語版を立ち上げ、小売事業でライセンス契約を結んできた三洋電機が全面協力。店内にはオンラインストアでも需要の高かった「引き出物」専用のサロン空間「MoMA Wedding Gifts(仮称)」も開設し、サイトでのノウハウを生かす。
店舗総面積は約430平方メートル。内装はMoMA内の店舗設計をはじめ六本木「森美術館」などの実績を持つ「Gluckman Mayner Architects」(本社=NY)のリチャード・グラックマンさんが手がける。「NYのストアとは違ったアプローチを試みた」(グラックマンさん)という店舗は、フロアごとにブロックを回転して積み上げたようなビルのデザインコンセプトを継承。外観から「続く」イメージで、可動式のレールを用いたオリジナル什器などを効果的に使い、ディスプレーに柔軟性を持たせるという。
扱うのは、MoMAの永久収蔵品や限定商品をはじめ、同館のキュレーター部門もセレクトに参加したという、家具やインテリア、キッチン雑貨、ジュエリー、ウオッチ、トラベル用品、書籍、ポスターなどのデザイングッズ。ストア内には5台の大型モニターを設置し、MoMAの最新情報を提供するほか、オープン後はイベントにも対応していく予定。
店舗が入居するGYREビルにはすでに、「シャネル」(1階)、「ブルガリ」(1階、2階)などの高級ファッションブランドや、仏ワインビストロ「ル・プレヴェール」(4階)などの出店が決まっている。同ビルの建物と土地賃借権は現在、竹中工務店が保有。「エスキス表参道」建て替えに伴い、旧所有者の日本リテールファンド投資法人(千代田区)が21億5,000万円で権利を譲渡している。ビルは今年11月2日に開業予定。