オールアバウト(渋谷区恵比寿1)は7月25日、富裕層向けメンズ誌「zino(ジーノ)」の出版・ウェブコンテンツ事業を手がけるKI&Company(港区)と資本・業務提携すると発表した。
今年3月に創刊した「zino」は、紙に先駆けウェブマガジンを先行スタートするなどの戦略で、元「レオン」の岸田一郎編集長が手がける「クロスメディア」マガジン。岸田編集長はレオン出版元の主婦と生活社を退職し、自ら新会社を設立、新雑誌「zino」創刊時は話題を集めた。
総合情報サイト「All About」を運営するオールアバウトは、今回の提携でコンテンツ強化を図るとともに、「zino」ユーザーの中高年層や富裕層を取り込みたい考え。8月下旬にもKI&Companyが実施する第三者割合増資を引き受ける計画で、具体的な取得株式数や株式保有率については今後協議していくという。
提携後の協業については、All Aboutとzinoのメディア連動や広告販売での協力、共同商品の開発などを予定している。今後は運営インフラも共用する見通しで、相互の役員派遣も検討している。
オールアバウトは各分野の専門家がガイドするポータルで現在約500のカテゴリーを展開。2005年に上場し、月間ユニークユーザー数は約1,600万人(今年5月時点)に上るほか、特定の年齢層やライフスタイル別に現在11のウェブマガジンを運営している。一方のKI&Companyは、3月時点の資本金が2億5,200万円。一部大手週刊誌で社員の大幅リストラが報じられるなど、経営悪化がささやかれていた。