Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷区道玄坂2、TEL 03-3477-9413)は7月28日より、企画展「ルドンの黒 眼をとじると見えてくる異形の友人たち」を開催する。
青年時代モノクロの作品を描き続け、後に鮮やかな色彩へと開花する仏人画家、オディロン・ルドン(1840-1916年)の生涯を、ルドンの世界的なコレクションで知られる岐阜県立美術館所属の作品を通して振り返る。展示作品は、木炭画や版画を中心に200点に上る。
ルドンの生涯は、仏ボルドーの裕福な家庭に生まれながら生後間もなく田舎町に里子に出されることから始まる。親戚の老人のもとで暮らす中で抱えた孤独感を表現したのは、少年時代から描き始めたモノクロの「幻想的」な絵画だった。同展で取り上げるのは、ルドンが40代のころまで積極的に描き続けたモノクロ作品が中心。
独創的な世界に入り込んだルドンがモチーフにしたのは、目玉や人間の頭部、がい骨など。これらのモチーフは時に気球や植物、動物などに姿を変え、石版画集や木炭画などに登場する。会場ではモノクロ作品に加え、1880年の結婚後色彩に目覚めた後のパステル画も併せて展示する。
入館料(当日)は一般=1,300円、大学・高校生=900円ほか。8月26日まで。