アンデルセン原作の童話を、アーティスト清川あさみさんの作品で鮮やかによみがえらせた絵本「人魚姫」(リトルモア刊)の出版記念企画展が7月19日、渋谷「ロゴスギャラリー」(渋谷パルコ・パート1=渋谷区宇田川町、TEL 03-3496-1287)で始まる。
レースやビーズなどを使った繊細なテキスタイル作品で知られる清川さんは、昨年3月に発売されたオスカー・ワイルド原作の短編「幸福な王子」(リトルモア刊)でも挿絵を手がけ、独特な世界観を披露。前作と同様、装丁などのアートディレクションを中島英樹さんが担当し、翻訳は法政大学教授でエッセーなどの執筆でも知られる金原瑞人さんが手がけた。作品撮影は第25回木村伊兵衛写真賞を受賞した鈴木理策さん。
104ページにわたり描かれるストーリーには、海底の「美しさ」や人魚姫と王子の心を描き出すように、清川さんの緻密(ちみつ)な表現が垣間見える。レースやサテンなどの布地を重ね合わせ、ビーズやスパンコールで繊細なきらめきを出したアートワークの数々は、清川さんが約1年を費やして一針一針縫い込んだものだという。
同展では、同作の「原画」となったテキスタイル作品16点を展示する。会場では6月に発売されたばかりの同作「人魚姫」(2,100円)をはじめ、清川さんオリジナルのクリアバッグ、キャンドル、ハンカチなどのグッズも販売。同28日には会場での絵本購入者を対象にサイン会を行う。
入場無料。7月31日まで(最終日は17時終了)。