宣伝会議(港区南青山3)は3月9日、青山ダイヤモンドホール(北青山3)で「第44回 宣伝会議賞」の贈賞式を行った。
宣伝会議賞は、企業や商品の広告コピー、CM絵コンテなどを一般から募集し表彰する国内最大規模の広告賞。今年は60の課題で募集を行い、一般公募作品20万点以上の中から最終ノミネート者14人を選出した。募集期間は昨年9月15日~11月15日。
44回目を迎える今年、グランプリに選ばれたのは、遠藤紀子さん(32歳、愛知県)の作品で明治ミルクチョコレート(明治製菓)の広告コピー「ずるいよ。チョコ食べてるときに、そんな話するの。」。コピーは、チョコレートを食べているときの幸せな気持ちを表現したもの。贈賞式当日、黒のスカートスート姿で壇上に立った遠藤さんは、「広告業界に入った頃からこの賞を意識していた。今年は仲間や家族も巻き込んで特にがんばった」と振り返り、笑顔を見せた。
人気コピーライターの児島令子さんはグランプリ作品について、「歴代の受賞作品とは異なるタイプ」とし、「読む人が素直に入っていける。エポックメーキング(ある分野に新しい時代を開くことの意)な作品」とコメント。「今年はどのコピーもすごく『上手』と言える作品だった」と総評した。
このほかの主な受賞者は以下の通り。【準グランプリ】藤上真希さん(21歳、愛知県)=カルピス(カルピス)テレビCM字コンテ、熊谷卓彦さん(30歳、東京都)=リクナビNEXT(リクルート)「会社をクビにしよう。」【コピー部門】山本雅治さん(31歳、東京都)=カラオケおよび携帯コンテンツ(エクシング)「田舎の母から『元気よ』と聞くより、『カラオケ行ったの』と聞くほうが安心する。」。
宣伝会議賞はこれまでに、糸井重里さん(1973年・第11回金賞)、林真理子さん(1979年・第17回銀賞)らを輩出し、広告・マスコミ業界で活躍するための登竜門としても知られている。