首都高速道路(千代田区、以下首都高)は、山手通りや環状6号線の地下に建設中の「中央環状新宿線」の開通に向けて、地下トンネル部分から排気ガスを吹き上げる高さ45メートの巨大換気塔の建設工事を、渋谷区内などで進めている。
駒場東大前からほど近い旧山手通りの一角には3塔の換気塔が建てられた。通りの中央分離帯に建設された六角形の塔はそれぞれ、高さ45メートル、縦6メートル、横5.4メートルの大きさで、道路のカーブに沿うように数十メートルの間隔で並んでいる。(写真)
地下道路内の空気は換気所を通じて排気される仕組みで、その際の排気ガスは外から取り込まれる空気によって濃度が薄まった状態。換気塔から排出される空気はその後、秒速約10メートルの速さで地上100メートルの高さまで吹き上げられ拡散するという。首都高の発表によると、「(排出される)二酸化窒素の地表付近への影響は小さく、環境基準の数百分の一」。換気所には従来は設置していなかった低濃度脱硝装置を設置し「環境負荷の軽減を図る」(首都高)という。
渋谷区内では7塔(3換気所)が建設予定で、中央環状新宿線の全16塔のうち代々木換気所(2塔)、大橋換気所(1塔)を除く13塔がすでに外形上の建設を終えている(2007年3月5日現在)。
中央環状新宿線は、首都高のうち放射状に走る3号渋谷線(大橋ジャンクション)、4号新宿線(西新宿JCT)、5号池袋(熊野町JCT)などを結ぶ全長11キロメートルの環状道路で、池袋-新宿間は2007年12月、新宿-渋谷間は2009年度中に、それぞれ開通を予定している。