au携帯電話のデザインなどで知られるプロダクトデザイナー、深澤直人さんが手がける家電ブランド「±0(プラスマイナスゼロ)」の製品が、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクション(永久保存作品)に選定されたことが明らかになった。
パーマネントコレクションに選ばれたのは、プラスマイナスゼロが2004年4月に発表したスチームファン式の「Humidifier(加湿器)」。シンプルな円盤形というユニークなデザインで長時間の加湿が可能な同品は、新シーズンごとにカラーバリエーションを増やし機能面も強化するなど定番商品として定着、現在は同ブランドの「顔」として全製品の中で1番の売り上げを誇るという。
MoMAのコレクションに加わった加湿器は、最新モデルとなる「Ver.3」。深澤さんにとっては、無印良品のCDプレーヤーをはじめ、KDDIの携帯デザインプロジェクト「au design project」でデザインしたプロジェクト第1弾モデル「INFOBAR」と、同じく第5弾の「neon」に次ぐ快挙となる。プラスマイナスゼロの製品が同美術館の永久保存作品に選定されたのは今回が初。加湿器はすでに同美術館に収蔵されているという。
同ブランドを運営するプラスマイナスゼロ(港区南青山5)は今回の発表について「今後もデザインと機能、少しの『ユーモア』をスパイスに、妥協のない商品作りを続けていきたい」とコメントしている。
1956年山梨県生まれの深澤さんは、1980年に多摩美術大学立体デザイン科を卒業後、セイコーエプソンのデザイナーを経て1989年に渡米。米デザインコンサルティング会社での勤務を経て帰国し、2002年に自身の事務所「Naoto Fukasawa Design」を設立した。
プラスマイナスゼロは2003年、深澤さんがタカラ、ダイヤモンド社と共に立ち上げた家電・雑貨ブランドで、翌2004年10月には北青山3丁目に直営店を開設、商品は全国の家具店をはじめ海外でも取り扱われている。(写真=MoMAのパーマネントコレクションに選定された「加湿器」)