「シブヤ西武」リニューアルの詳細を発表-自主編集強化へ

西武百貨店は2月8日、「シブヤ西武」のリニューアル内容を発表した(写真=A館・自主編集売り場のイメージ)

西武百貨店は2月8日、「シブヤ西武」のリニューアル内容を発表した(写真=A館・自主編集売り場のイメージ)

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 ミレニアムリテイリングと西武百貨店は2月8日に会見を開き、3月2日に全館リニューアルオープンする「シブヤ西武」(渋谷区宇田川町、TEL 03-3462-0111)のストアコンセプトなど、具体的な改装内容を発表した。

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 西武百貨店は2004年に船橋店を全面改装して以来、これまでに全国6店舗でリニューアルを行うなど構造改革を進めてきた。都内では昨年9月に有楽町店を全館リニューアルし、「ビューティー館」「ファッション館」の2館で30代女性の取り込みを狙う新戦略を打ち出すとともに、今後は所沢店、池袋本店のリニューアルも控えている。

 こうした流れの中で「新生シブヤ西武」がターゲットに据えるのは「洗練された都市生活者」。会見に出席した西武百貨店の大崎文明社長は「渋谷にかける思いは強い。自分の『ライフスタイル』をしっかり持った客層に次の流れを提案し、ついていくことが課題」とし、「構造改革のポイントはマーチャンダイジング(MD)だけでなく、日本一の『接客』」と述べた。

 具体的には、ビューティーや婦人服、紳士服などでこれまでなかった「自主編集売り場」を新設し、日本初登場のブランドや限定品など独自のMDを強化するほか、フィッティングやギフトなどの専門知識を持った「専門人材」225人を投入し、サービスの改善を図る。

 リニューアルを機に、「A館」「B館」の顧客ターゲットも明確にする。渋谷駅に近い「A館」では、地下1階に食品売り場を導入するほか、7階に子供服売り場を「復活」させ、女性のための「ライフスタイル館」として買い回り性を高める。「B館」は「メンズ&ラグジュアリー」館。1階~4階をラグジュアリーブランド専門のフロアとしA館を含め新規25店舗を誘致するほか、4階~6階にメンズフロアを開設、地下1階には「スタイリッシュスポーツ」を提案する自主編集売り場を新設する。A館・B館の各フロアの詳細は以下の通り。

【A館】
○地下2階(カジュアル・レストラン街「セタンジュ」)=ベトナム料理、韓国料理、パスタなどカジュアルな飲食空間を提案。
○ 地下1階(食品「グルメマルシェ」)=「高質顧客」のためのグルメ専門売り場。築地中央卸売市場の老舗仲卸による鮮魚の販売、老舗和菓子や寿司が楽しめる売り場「茶席座」、「煮売屋 宮下」、「シェ松尾」などのイートインをそろえる「食楽座」、各種食材専門店を集積した「蔵の街」、パティスリー、ショコラティエが出店する「パティシエ ショコラティエ ストリート」などの区画で構成。総店舗数は90店舗。
○ 1階(化粧品)=メイクアップ、コスメブランドを強化。「ナーズ」「ポール&ジョー」「ジルスチュアート」「ワトゥーサ」など新規9ブランドを導入し、全30区画で展開。
○ 中2階(コスメティックサロン)=「スペシャルケアゾーン」として新設。まゆげ、まつげなどの部分ケアサロンが出店し、売り場には専門スタッフを配置、カウンセリング機能など接客サービス面に力を入れる。
○ 3階(婦人服・アクセサリー)=「上質」なアクセサリーブランドの新規導入。自主編集売り場「キートゥースタイル」では世界のデニムブランドを集積するなど「大人」のカジュアルを提案。
○ 4階(婦人服)=自主編集のデザイナーズセレクション「ジャスティンモード」。「ベラルディ」「ガーデム」など次世代デザイナーブランドの商品を投入。
○ 5階(婦人服)=「クラスカジュアル」をテーマに「キャシャレル」「DKNY」「トゥービーシック」など定番アイテムがそろうブランドを誘致。
○ 6階(婦人服)=デザイナーズブランドやフォーマルウエア、インナーウエアを取りそろえる。自主編集「モードプラス」ではドレスアップコーディネートを提案。
○ 7階(子供服・催事場・旅行サロンなど)=子供服専門のセレクトショップ3店舗や「ラルフローレン」のトドラー・キッズなど6店舗を導入。「クラブ・オンデスク」「セゾンカウンター」に加え、包装紙45種、リボン60種を用意したラッピング専用カウンターも新設。
○ 8階(レストラン街「ダイニングプラザ」)=東京初出店の老舗寿司「すし萬」、伊料理「ヴィヴィラ・ベルデ」、中華料理「代官山花壇 笑龍」、しゃぶしゃぶ・日本料理「吉祥」、オイスターバー「フィッシュ&オイスターバー」など。

【B館】
○地下1階・パーキング館地下2階(ビューティ・エステティック)=A館「ビューティーゾーン」との連動区画。百貨店初のメンズ・ビューティサロン「ザ・リヴォーン」、漢方・アロマの「若草自然薬局」、エステサロン「トータルビューティ&スパ ネクストソシエ」など。
○ 1階(特選ブティック)=雑貨とハイジュエリーで構成。既存の「エルメス」に加え「カルティエ」「ティファニー」「ヴァン クリーフ&アーペル」などが新規出店。
○ 2階(婦人服)=バッグ、シューズなどの雑貨を中心としたラグジュアリーブランド売り場。「ボッデガ・ヴェネタ」「セリーヌ」「ホーガン」など新たに導入するのは8区画。
○ 3階(婦人服)=インポートブランドがそろうデザイナーズコレクション。「ジルサンダー」が新登場。
○ 4階(紳士服)=メンズラグジュアリーブランドを集積。これまでレディスとともに展開してきた「プラダ」「グッチ」「アルマーニ」の売り場からメンズが独立。新規出店は「ジルサンダー(メンズ)」「ボッデガ・ヴェネタ(メンズ)」。
○ 5階(紳士服)=スーツやシャツ、タイ、レザーグッズなどの単品ビジネスアイテムに加え、メンズコスメや時計、ペン、喫煙具などのコスメ・雑貨も取りそろえる。シューズのパターンオーダーや修理工房も登場。
○ 6階(紳士服)=自主編集売り場「メンズサロン」として「上質なオフスタイル」を提案。取り扱いブランドは「グローブトロッター」「オロビアンコ」「バランタイン」など。
○ 7階(インテリア)=インテリア、生活雑貨中心の売り場。専任コーディネーターを配置し、インテリアコーディネートや部屋のリフォーム相談も受け付けるほか、バスタブの提案も行う。
○ 8階(宝飾・時計・眼鏡など)=高級雑貨フロア。宝飾は「ショーメ」「デビアス」「ダミアーニ」、時計は「ピアジェ」「ロジェ・デュブイ」をはじめ「フランク・ミュラー」ショップなど。眼鏡はオーダーメードやインポートブランドを強化する。

 同社によると、今回のリニューアルの投資額は約80億円。リニューアル後の年度売上目標は、前年比115%の600億円。リニューアル記念では、ベルギーのフラワーアーティスト、ダニエル・オストさんによる企画展などを予定している。(写真=A館6階自主編集売り場「モードプラス」イメージ)

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