服を取り巻くものを「劇場」と捉え独創的なコレクションを発表し続けるファッションブランド「シアタープロダクツ」の制作現場を追う企画展「シアタープロダクツの現場」が1月12日、渋谷・パルコミュージアム（渋谷パルコ・パート3、TEL 03-3477-5873）で始まった。

　同ブランドはコム・デ・ギャルソンでパタンナーを務めた武内昭さんと、アパレル大手で企画を担当した中西妙佳さん、プレス・企画を担当する金森香さんの3人が2001年に設立。流行を取り入れながらもストーリー性のあるコレクションで知られ、2006-07秋冬の東京コレクションでは神宮外苑・絵画館前の特設テントで同コレクションのスタートを飾った。

　コレクションでは「はがして」手にする服などユニークな服を次々と発表。生演奏やコンテンポラリーダンスなどの演出も加え、文字通り「劇場」のようなプレゼンテーションを得意とする。初直営店は2004年2月渋谷・ゼロゲートにオープン（昨年2月パルコ・パート1に移転）。2006年春夏シーズンからはメンズラインも本格始動した。

　同展では、普段は表に出ない制作の「現場」をテーマに、作品紹介やインスタレーションを行う。会場には電話やファックスを置き、ブランドの仕事現場を完全に移動させる。スタッフは会場に「出社」し、工場とのやりとりやパターンを引く作業現場を公開する。

　インスタレーションは、何枚ものスカートを連ねた「スカートの森」。量産される服を購入するまでの過程を表現するという。スカートは購入することもできる。過去の作品はブランド立ち上げ当初の2001年のものから最新のものまでを一挙に公開。映像や写真でも歴史を振り返る。

　物販では、5周年記念で刊行する書籍「THE BOOK OF THEATRE PRODUCTS シアタープロダクツのメソッド」（リトルモア刊、同18 日発売）を会場で先行販売。日替わりでその日の「日付け」を記す会場限定Tシャツも制作、販売する。会期中の週末（土曜・日曜）には、「打ち合わせ」と題したトークイベントも開催。photo:Fumio Doi © Little More

パルコミュージアム