昨年9月に他界した俳優、丹波哲郎さんの出演映画を集めた特集上映が1月6日より、渋谷区円山町の名画座「シネマヴェーラ渋谷」(TEL 03-3461-7703)で行われている。
丹波さんは生前、数々の作品に出演し戦後の日本映画界を支えたベテラン俳優のひとり。1922年東京都出身、代表作は70年代に出演した映画「砂の器」(1974年)やTVドラマシリーズ「Gメン75」(1975年)など。役者として名前が知られるようになったのは、40歳を迎えてから出演したテレビドラマ「三匹の侍」(1963年)だった。
50年以上の俳優生活の中で丹波さんが出演した作品は500本にも上ると言われる。特集では、深作欣次監督や石井輝男監督らの名監督による作品や、活躍前の初期の作品など18作品を上映している。
50年代から60年代にかけて、丹波さんが脇役として登場する作品は、徳川幕府時代の用心棒役を演じた時代劇「怪異宇都宮釣天井」(中川信夫監督、1956年)、戦後の横須賀を舞台にしたヤクザ映画「豚と軍艦」(今村昌平監督、1961年)など。深作監督の作品では、高倉健さん主演の「ジャコ萬と鉄」(1964年)など3作品をラインナップした。
特集で上映するのは、一番新しいもので1973年公開の作品。上映作品中、主演作はわずか1作品ながら、主演などの俳優陣には高倉健さんをはじめ石原裕次郎さんや菅原文太さんなどの大御所が名を連ねている。
上映は1回につき2本立て(入れ替え無し)。料金は、一般=1,400円、会員・シニア=1,000円ほか。1月26日まで。(写真=曲谷守平監督、1957年「白蝋城の妖鬼」より©国際放映)