渋谷区円山町のミニシアター「ユーロスペース」(渋谷区円山町、TEL 03-3461-0211)で12月9日より、「キューバ映画祭2006」と題したキューバ映画の特集上映が行われる。
特集上映を企画するアクション(渋谷区宇田川町)は、今年10月にメキシコのドキュメンタリー映画を集めた特集上映を同館で行ったばかり。同社代表の比嘉世津子さんは、学生時代メキシコに1年間在住し帰国後、スペイン語、英語の通訳者に。日本で公開されるラテン系映画に「物足りなさ」を感じ、3年前、自ら映画を買い付けるためメキシコに渡った。
初めての買い付けで出会った作品「永遠のハバナ」(フェルナンド・ペレス監督)で、2005年3月に単館での公開にこぎ着けた。映画が上映されたのは、移転前の当時、桜丘町に劇場を構えていたユーロスペース。「作品を持ち込むのは、最初からユーロスペース以外に考えていなかった」(比嘉さん)という。同作を機に、比嘉さんは今もラテンアメリカ映画の買い付けを続けている。
9日から始まるキューバ映画祭では、日本での公開を控えた2作品を含む11作品を上映。「永遠のハバナ」をはじめ、スペインからの独立で揺れる1895年の恋愛模様を描いたオムニバス「ルシア」(ウンベルト・ソラス監督)、野球選手の生きざまを描く人生ドラマ「フルカウント」(ローランド・ディアス監督)など60年代~80年代の作品も揃えた。
プレミアム上映されるのは、オリバー・ストーン監督が手がけるカストロ議長に迫ったドキュメンタリー「COMANDANTE」と、「低開発の記憶」(トマス・グティエレス・アレア監督、ともに原題)。アニメ2作品も上映する。
10月のメキシコ・ドキュメンタリー映画祭では来場者から「(特集を)来年もやってほしい」とリクエストも受けたという。比嘉さんは「今後も渋谷からラテンアメリカ映画を発信していきたい」と話している。鑑賞料(当日)は、一般=1,500円ほか。12月15日まで。(写真=映画「COMANDANTE」より)