前日に幕を開けた「東京デザイナーズウィーク」に続き11月1日、複合デザイン見本市「デザインタイド」が開幕した。
デザインタイドは、前イデー社長、黒崎輝男さんがプロデュースしたデザイン見本市「東京デザイナーズブロック」(一昨年で終了)が母体となり、昨年立ち上げられた新興イベント。共同出資を手掛けるアドバイザリーボードには、黒崎さんをはじめ、横川正紀ジョージズファニチュアCIBONE代表、重松理ユナイテッドアローズ社長らが名を連ねる。
2年目を迎える今回は、原宿・明治通り沿いにある取り壊し目前の空きビル「東洋ビル」をメーン会場に、国内外約60組の参加デザイナーがプレゼンテーションを繰り広げている。同ビルは今年11月~12月にかけてすでに取り壊しが決まっており、今後アーバンコーポレーションが開発を手掛けるという。
イベント全体のテーマは「“DESIGN”&PEACE」。開催前には同ビルの前に「ほんとに必要なものだけを」と書かれた仮囲いを掲出するなど、展示内容も全体に環境問題や平和を意識したものが多い。会場に置かれた椅子などのインテリアは、オフィスビルだった同ビルの使わなくなった廃材を再利用したものがほとんどだという。
1階エントランスを入ってすぐの「treasured trash=タカラモノニナッタゴミ」プロジェクトでは、各ジャンルのクリエーターが提案するオリジナルの資源ポスト(ごみ箱)や、廃材を用いたオブジェなどのアートワークを展示。トラックの幌(ほろ)をリサイクルしたバッグで知られる日本でも人気のブランド「FREITAG(フライターグ)」は会期中、1日限定15人でオリジナルのバッグを作れるワークショップを開催している(会場=3階イベントスペース、参加料=32,000円)。
展示会場は1階と3階で、1階の一部では若手を中心とした22組(人)が物販を行う「タイドマーケット」を同時開催。会期中はメーン会場のほかに、外苑前や表参道、原宿、渋谷エリアの約30のショップ、ギャラリーなどで関連エキシビション「Tide Extension」も行われている。メーン会場の入場料は500円。
開催前日の会見に参加した横川ジョージズファニチュアCIBONE代表は、「デザインの社会的役割が大きくなってきている今、『形だけでない』デザインを発信していきたい」とコメント。「ファッションウィーク」などと並び「デザインウィーク」と呼ばれ始めているというこの1週間、青山、原宿エリアなど広域渋谷圏一体が賑やかになりそうだ。