東京都渋谷区は10月26日、渋谷駅ハチ公前広場に青少年育成活動の拠点となる電車モニュメントを開設した。場所は、半蔵門線、田園都市線などの地下鉄出入り口付近。
設置されたのは、1954年(昭和29年)に製造され、16年に渡り渋谷・桜木町間を走行した電車車両、東急「5000系」の先頭車で、全長約18メートル。通称「アオガエル」として親しまれた車両は、セコムなどの民間企業によって一部が改装されたが、運転席の操作レバーや座席などは当時のまま残されている。
渋谷区は、青少年育成活動に加え、地域美化活動や地元商店会の振興行事など、これまで主に同広場で実施されてきた一連の動きを繋ぐ新たな拠点として、モニュメントを開設。車内には渋谷駅周辺を写した明治からの歴史写真を展示し、一般にも開放する。
青少年向けの活動では、約10年前から渋谷周辺でパトロールを行っているNPO法人「日本ガーディアン・エンジェルス」と協力し、若者向けの相談などもモニュメント内で受け付ける予定。現在、QFRONTと渋谷マークシティに拠点を置く同法人の小田啓二理事長は、「渋谷に集まる若者に向けて(この場所を)有効に使っていきたい」と話している。
今後の主な活動内容は運営協議会を設置し具体化させていくという。(写真=渋谷駅ハチ公前広場に出現した電車モニュメント)