渋谷区は6月19日、現在改装中の施設「渋谷公会堂」(宇田川町)にスポンサー名を冠することができる権利=ネーミングライツ(命名権)を導入することを明らかにした。区が所有する施設でネーミングライツを募るのは今回が初。
1964年(昭和39年)、東京オリンピックの重量挙げ会場として開業した同施設は、多目的ホールとしてテレビ番組「8時だョ!全員集合」「ザ・トップテン」などの公開生放送にも使われたほか、近年では若手バンドなど国内外のアーティストのライブ会場として若者にも広く認知されてきた。施設は老朽化に伴い2005年7月から改装工事中で、座席やステージ、外壁などの内外装をはじめ、照明や音響など各種設備も刷新し2006年10月1日にリニューアルオープンする予定。
区ではネーミングライツについて「ほかの自治体でもすでに確立されてきた制度」とし、「今後新たな収入源を確保し文化芸術施策の拡充を図るため」今回の導入に踏み切った。対象になるのは、自らスポンサーになる企業をはじめ、権利のリセール業務を行う広告代理店業を含む法人。公序良俗に反する事業主などは対象外としている。
契約期間は5年間で、契約には年額5千万円以上が必要。業務内容や決算報告など各企業情報に加え、社会貢献事業・イベント誘致など権利取得後の施設の具体的な活用案(任意)や希望の施設名も同時に提出させる。なお施設名については、「『渋谷公会堂』の名称を残したいが、必須条件ではない」としている。募集期間は6月20日~7月10日まで。審査委員会を開設し「総合的な判断」により該当企業を決めるという。(写真=改装後の完成イメージ)