東京都は今年9月、青山に各国の若手芸術家に交流の場を提供するアート拠点「アートヴィレッジIN東京(仮称)」(神宮前5)を開設する。地上5階建ての旧国連大学高等研究所(2004年4月、横浜市内に移転)のうち、研究員の宿泊施設として使われていた3階~5階を整備する形で、3階にはアトリエや談話室、4階・5階には約20人が滞在できる無料の宿泊施設を開設し、国内外の新進・若手アーティストや関係者らの交流拠点、作品制作の場に充てる。計画は、今月16日に発表された東京都文化振興指針の中に盛り込まれている「新進・若手アーティストの支援」における具体的な取り組みの一環として行われるもので、都が2005年7月に開いた「トーキョーワンダーサイト渋谷」(神南1=渋谷区立勤労福祉会館内)とも連携し作品展示やセミナーなどを行うという。また、ネット上で見本市やミュージアムを展開、都内の文化情報検索機能も備えるという芸術・文化の総合情報サイト「トーキョー・アート・ナビゲーション(仮称)」も併せて開設し、施設との連携を図る考え。同施設の開設について山本隆夫生活文化局局長は、「美術や音楽といったジャンルを超え、アーティストだけでなく美術館関係者や舞台制作者など、さまざまなアート関係者が集まり刺激し合う出会いと交流の場にする予定」(2006年3月17日、東京都議会文教委員会)とコメントしている。都は若手アーティストの育成資金として、2006年度事業費の中で8億円を計上している。