
Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が4月27日、横浜ビー・コルセアーズ(以下、横浜)に70-71で競り負けた。
立ち上がりから競った展開となる中、「(田中)大貴さんもいなくて、ベンチメンバーのエナジーもスコアも大事とコーチ陣から言われた」と、トロイ・マーフィージュニア選手が第1クオーター(Q)だけで11得点をマーク。外国籍選手2人をかわしてダンクも決めたが、「試合中は違うモードに入っちゃうので…僕自身もダンクすると思っていなかったのでびっくりした。ドロップステップのダンクは人生で初めてだった」と笑顔を見せた。
24-22で迎えた第2Q序盤もマーフィージュニア選手の勢い止まらず、自身の粘り強い守備から生まれた横浜のミスにいち早く反応し、「疲れていても全力を出すのが仕事」と、最前線を走り再びダンクを決め一時6点差を奪う。しかし、以降はゾーンを交えた横浜の守備に得点が止まり35-36と逆転を許す。「タフな時間だった」と振り返ったカイル・ベイリーヘッドコーチ(HC)は「ファウルを受けたというアピールもしていたし攻め急いでいた部分もあり、しっかり僕たちのバスケットをする時間帯だった」と指摘。ケビン・ジョーンズ選手は「どう攻めるか話していたが、変化するディフェンスに慣れるまでに苦しんだ」とも。
互角の戦いを見せた後半。序盤はガード陣のアタックに対する横浜の守備を見て、オープンになるコーナーから3Pシュートを沈める。マーフィージュニア選手は「来ると思っていなかったがシュートする準備はできていた」とゴール下までアタックしたハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア選手からのパスを受けてこの日3本目となる3Pシュートを沈めた。
51‐52で迎えた最終Qは、ジョシュ・ホーキンソン選手がリバウンドで体を張り、ジョーンズ選手は「チャンスがあると思ったので強調してアタックした」とゴール下に飛び込み得点を挙げるなどして一時8点差を奪う。しかし再び横浜のゾーンに苦しみ、得点能力の高い外国籍選手を止めきれず残り約26秒で逆転を許す。直後の攻撃で小島元基選手がリバウンドでファウルを受け、得たフリースローを沈め一歩前に出る。しかし残り約15秒横浜の攻撃を守り切れず敗れた。
最後の守備でSR渋谷はあえてファウルをすることもできたが、しなかった。シュートを決めたダミアン・イングリス選手を守っていたジョーンズ選手は「固く守れていたし、フリースローも上手なので、審判の基準も考えた時に簡単にファウルするべきではないと考えた。悔しいが、チェックした状況下でのシュートはしょうがないと割り切っていた」と振り返る。
イングリス選手はこの日31点を挙げたが、ベイリーHCは「フィジカルにそして彼の正面に立つこと、チェックの上から打たれるのはしょうがないと伝えていた。彼にやられる分は良いと捉えていた」と言う。速攻からの21失点については、「ファウルを使うべきところもあったがコミュニケーション不足で(ボールマンを)捕まえられていない場面もあった。言い訳にはならないが、今月11試合目で、疲れで起きてしまった部分もあった」と触れた。
マーフィージュニア選手はキャリアハイとなる19得点に加えリバウンド10本とダブル・ダブルを記録し、「うれしい」と喜んだ。今季SR渋谷に移籍しシーズン序盤は苦しんだが、「昨年の方がプレータイムもあったし、ボールも触っていたが、シュートはめっちゃ入るようになったしディフェンスもちょっと成長したと思うから、今シーズンは本当に大事なシーズンになっている」と成長を実感する。
ジョーンズ選手は選手を欠く中で接戦を演じたことについて「ベンチメンバーがエナジーを出して戦ってくれているし、互いのために一緒に戦い抜こうと強調できていることはリズムが良いと思う」と好感触な様子。リード・トラビス選手を欠いて以降、ホーキンソン選手と会話する場面が増えているが「情報の共有やミスに対するカバーなどを話している。このような選手間のコミュニケーションは最近良くなっている。HCが変わってから、しっかりハドルを組んで共通認識をもってプレーに移ることを強調している」と言う。
次節は今季最後の試合となる。マーフィージュニア選手は「すぐ休みになるから、今週末みたいに全力を出してブースターの皆さんに良い試合を見せたい」と意気込む。