
国産フルーツや、フルーツを使ったスイーツなどを取りそろえるフルーツ店「FRUITS ÕNO(フルーツ大野)」(渋谷区広尾5)が4月27日、広尾・天現寺橋近くの明治通り沿いにオープンする。
オーナーは、フルーツ大福店「弁才天」創業者の大野淳平さん。弁才天をファンドに売却後、昨年3月には、大野さんの地元・愛知県の郷土料理として知られる「鬼まんじゅう」などを扱う和菓子店「オオノ餅店」(上原3)を、代々木上原に開店。自身の名を冠した初の店に続き今回新たに、フルーツ大福でも縁のあった「フルーツ」を主役に据えた新業態を立ち上げた。
名古屋で古着店なども営み、仕事やプライベートで海外に行くことも多い大野さんは「世界を旅する中で、国産フルーツのおいしさを改めて知った。日本は国土の7割が山で、きれいな水源がある。四季の移ろいや生産者のこだわりも魅力」と、フルーツに立ち返り、新店の準備を進めてきた。
場所は、都立広尾病院が裏手にある、明治通り沿いのビルの1階。外観は、店のロゴをプリントしたアイボリーの丸みのあるテントが特徴で、パリの市場「マルシェ・デ・アンファン・ルージュ」で見たという青果店のワゴンを模して、オリジナルのワゴンを特注。旬に合わせて、リンゴやブドウ、イチゴ、メロンなどのフルーツを並べる。価格は、フルーツ1個(本)100円~で、各種カットフルーツは500円~。
店では、フルーツを使ったスイーツも用意する。老舗洋菓子店やミシュラン3つ星店などでそれぞれ修業を積んだパティシエ、シェフが監修。看板スイーツの一つというシフォンケーキ(500円~)は、シフォン生地にフルーツと生クリームをサンド。「シフォンは小麦と卵の配合にこだわり、口溶けがいい。クリームは乳脂肪分が少なめですっきりと味わえる」と大野さん。ババロア(600円~)も、「濃厚で、しつこくない甘さのバランス」と、フルーツを引き立てるテイストに仕上げた。
スイーツはほかに、フルーツゼリーやグリークヨーグルトもラインアップ。フルーツジュース(以上500円~)は、100%フルーツを使う。見舞いや手土産などのギフト向けラッピングも用意し、ショッピングバッグやリボンなどのモダンな包装は「デザインにもこだわった」と言う。お中元シーズンに向け、オンラインサイトも準備している。
「街のフルーツ屋さん」という表面に加え、夜は店の奥が招待制のバーになるという別の顔も持つ。「天井の発光パネルは、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』に着想を得たもの。蛇紋石やブロンズミラーを取り入れた空間にシームレスに光を下ろして、異世界に迷い込んだような体験ができる」と説明。フルーツカクテルなどのアルコールと共に、バナナやマスクメロンなどを使ったパフェなどを提供する。
昼・夜共にスタッフが着用するユニホームは、パリコレクションや米人気歌手ビヨンセさんのワールドツアー衣装などでも活躍する、デザイナー森永邦彦さん率いるファッションブランド「ANREALAGE(アンリアレイジ)」が担当。アイボリーをメインカラーに、連続した袖ボタンや、スラックスの上に重ねる「八百屋の前かけ」をルーツにしたバムフラップ、ロゴを分解して再構築したグラフィックなどが特徴で、二業態を通して使える機能性にも配慮したという。
新店オープンに当たり、大野さんは「オオノ餅店の次はフルーツ大野。ヨーロッパに移住して店を開業するためのエンジンとして、日本で餅店とフルーツ店を走らせながら、海外に進出する」と、目標を口にする。
営業時間は9時~17時(バーは17時~)。