
アルバルク東京(以下、A東京)が3月15日、国立代々木競技場第一体育館(渋谷区神南1)で行われた「第100回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」決勝で琉球ゴールデンキングス(以下、琉球)と対戦し49-60で敗れた。
8得点5アシストなどをマークし「大会ベスト5」に選ばれたテーブス海選手
両チームが属するBリーグをはじめ大学や社会人などのチームが参戦し、トーナメント形式で戦い日本一を決める天皇杯。2次ラウンドから出場したA東京は、昨季のBリーグ王者・広島ドラゴンフライズなど5チームを下し決勝進出を決めた。
ロースコアとなったこの日。先制点を挙げたテーブス海選手が琉球のパスを読んでシュートをブロックしたほか、小酒部泰暉選手が体を張ってミスを誘発するなど序盤から好守を見せるが、「ハーフコートバスケをしっかりと遂行しないといけないのに、それぞれが好きなタイミングで(シュートを)打っていた。せっかく良いディフェンスをしたのに良いオフェンスで終われなかった」(安藤周人選手)と得点が続かず、追う展開となる。
10-15で迎えた第2クオーター(Q)は、「チームとして3ポイント(P)が入っていなかったので、自分が決めないといけないと試合の流れ見ながら考えていた」と安藤選手が積極的に得点を狙い、2本連続で3Pシュートを沈める。加えて、テーブス選手とライアン・ロシター選手のスクリーンを使ったプレーで守備とのずれを作るプレーから得点を重ね逆転に成功する。それでも、琉球が強みとするインサイドを抑えきれず、攻撃のミスから失点するなどして24-31で前半を折り返す。
後半は攻守で琉球のインサイド陣に苦しめられる。タイムアウトで修正を図ると、セバスチャン・サイズ選手が体を張って琉球の攻撃を止め、積極的にオフェンスリバウンドに絡み得点につなげる。ライアン・ロシター選手もシュートを防ぎ、パスをカットして速攻に走りレイアップシュートを決める。安藤選手が距離のある3Pシュートを沈め1点差に詰め寄ったが、安藤選手は「入った感覚があった」と打った直後にセレブレーションを見せた。
36-46と点差を広げられて迎えた最終Qは、守り合い拮抗(きっこう)した展開が続く中、小酒部選手が積極的に得点を狙い守備では琉球のミスを誘う。連続して琉球の攻撃を守り切り、テーブス選手の得点で4点差に詰め寄るが、琉球に連続得点を許し背中をとらえきれない。「最後まで自分たちのタフなバスケットで戦い続けるのは当たり前」と、テーブス選手はミスが出てもすぐ守備に戻り簡単に得点を許さない姿勢を見せ、最後まで得点を狙ったが追い上げかなわず試合終了となった。
デイニアス・アドマイティスヘッドコーチは「フィジカル面で対抗できなかった」ことを敗因に挙げ、リバウンド数で21本の差が出た点を悔やんだ。安藤選手も「フィジカルで負けていたのは明確」と続けつつ、チーム最多の12得点を挙げた自身のプレーについては「前半はしっかりと引っ張れたが、後半は決めきらないといけない部分があった。勝たせられないと意味がないので、見直して自分の糧にしたい」と力を込めた。
1万人を超えるファンが集まった中で行われた決勝戦。テーブス選手は「決勝の舞台に立てたことは個人的にうれしいし、本当に楽しかった」と笑みを浮かべつつ、「僕だけじゃなくて今日は誰がコートに立っても全力で戦えたと胸を張って言える。チームを誇りに思うが、アルバルクにいる以上は優勝しなくてはいけないので、悔しいし申し訳ない」と話した。
試合終了後、琉球が天皇杯を掲げる様子をベンチで見ていたが、「なかなか見られない部分もあったが、悔しい景色を目に焼き付けた。琉球の選手・スタッフをものすごくリスペクトしているのでおめでとうと伝えたいが、次戦う時にはしっかり勝ちたい」とリベンジを誓う。