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渋谷区の地域クラブに「ストリートスポーツ」 代々木公園拠点にスケボーなど

ストリートスポーツクラブの指導者(前列)ら

ストリートスポーツクラブの指導者(前列)ら

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 渋谷区の地域クラブ活動「渋谷ユナイテッドクラブ」に4月、ブレイキンやスケートボードなどのアーバンスポーツを扱う「ストリートスポーツクラブ」が開講する。

拠点となる代々木公園のアーバンスポーツパーク

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 教員の働き方改革や指導者不足などの社会課題の解決を目的に、これまで学校単位で行ってきた部活動を地域のクラブ活動に変革する動きがある中、渋谷区も「部活動改革プロジェクト」を発足。2021年に渋谷区スポーツ協会と連携して「渋谷ユナイテッドクラブ」事業を始め、現在、デジタルクリエーティブ、ダンス、ボッチャ、料理&スイーツマスタークラブ、サッカー、eスポーツ、フェンシング、将棋、ボウリングの9クラブを展開している。

 ストリートスポーツクラブの運営は渋谷未来デザインが担当。同法人は15歳以下を対象にしたストリートスポーツの大会「Next Generations Games」を開くなどしている。その知見や人脈を生かして同クラブを立ち上げることで、ストリートスポーツ活動を根付かせたい考え。「校長」には、パリオリンピック(五輪」でブレイキンの日本監督を務めた渡邊将広(マーロック)さんが就任。渡邊さんは、ヒップホップ映画「ワイルド・スタイル」の出演者が来日した際に、代々木公園周辺で踊っていた「竹の子族」と交流したことに触れ、「ヒップホップカルチャー、ファッション、音楽の発祥の地でもある渋谷のストリートで立ち上げたのは必然的なことだったと思う」などと話した。

 初年度は、パリ五輪の種目としても注目を集めたダンス「ブレイキン(ブレイクダンス)」、「スケートボード」、2本の縄跳びを使う「ダブルダッチ」、リフティングなどサッカーの技術をアクロバットなパフォーマンスにした「フリースタイルフットボール」の4種目を導入。指導者は、ブレイキン=国内外の大会に出場経験がありパリ五輪の日本代表チームに帯同したAT-4さん(Def Clean)、スケートボード=競技歴10年で原宿のスケートボードスクール「LAGOON神宮前店」の店長でもある塩原勇輝さん、ダブルダッチ=世界大会で4度優勝した経験を持つKAIさん(REG☆STYLE)、フリースタイルフットボール=世界大会で2年連続優勝した経歴を持つGyoZaさん(SUPER FOOTBALL BROS.)を中心に、プロアスリートなども招く予定。今後、3人制バスケットボール「3x3」など、そのほかの種目の導入も検討している。

 授業は年40回を予定。1つの種目ではなく4種目を体験できるプログラムで、ブレイキンは基本の動きから始め、慣れてきたら回転技などの動きにも挑戦。ダブルダッチは体験から始め、跳び方や回し方に挑戦した後、オリジナル技作りなども行っていくという。ストリートカルチャーはマナー問題もはらむ中、「街の中で好きなことができているということは、街の人たちからは嫌われてはできないということや、代々木公園などでできなくなった背景も伝えて、ストリートの中でどう活動していけばいいのか・接していけばいいのかも、伝えていきたい」と渡邊さん。

 クラブの拠点となるのは、2月20日に一部開園した代々木公園・神南一丁目地区(C地区)の屋外アーバンスポーツパークと、屋内のスポーツスタジオ。開講日は毎週土曜(14時~16時)で、平日には自主練習なども行えるようにするという。対象者は、渋谷区在住の中学生を中心に、小学5年・6年生も含める。会費は、前期入会=1万1,000円、後期継続=1万円、後期入会=1万1,000円。定員は20人。現在募集中で、すでに約7割が集まっていることから、増員を検討している。

 長谷部健渋谷区長は、「ストリートスポーツは、この街の顔であり文化の一つだと思っている。街のカルチャーやファッションと結びつけながら、部活動の場として活用してもらえるのはうれしく、ありがたい。多くの皆さんに知っていただけたら」と期待を込める。

 「子どもが主役になれる自己表現の場」をコンセプトに掲げる同クラブ。渡邊さんは「人と違うことをやって評価されるところが、従来のスポーツと大きく違うところ。自分の特徴、強み、本当に好きなことを考えて向き合うと、必然的にうまくなっていくので、そういうところを伝えたい」と意欲を見せる。

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