JR渋谷駅・ハチ公口の外壁に設置されているパブリックアート「ハチ公ファミリー」撤去作業が1月中に始まる。
同作は、パブリックアート事業を中心に手がける日本交通文化協会(千代田区)企画の下、1990(平成2)年3月に完成。旧渋谷駅北口広場が現在の「ハチ公前広場」に名称変更されたことを記念して制作された。縦約4メートル×横約11.2メートルの巨大な陶板のレリーフで、水墨画家の北原龍太郎が原画を描いた。「もしハチ公に家族がいたら?」をテーマに、太陽と月、星が輝き、虹が架かった宇宙空間でハチと同じ秋田犬20匹が遊び回る様子を、信楽焼の陶板約1200ピース以上を使って表現した。
レリーフはJR渋谷駅の外壁の一部となっていることから、JR東日本が管理。今回、駅の利便性向上や混雑緩和などを目的に2015(平成27)年から進めている改良工事の一環で撤去されることになった。移設も検討した中、陶板のピースなどを移動や修復することは難しいと判断し、制作者側とも協議した上で撤去を決めた。作品の一部を保存することやセレモニーなどは予定していないという。
同駅では1月26日に「ハチ公改札」が移設され、改札外の通路が一方通行になるなど、ハチ公口の動線が大きく変わった。今月中にもレリーフの前に仮囲いを設け、外壁の撤去工事を始める。