渋谷センター商店街振興組合はオリジナルの観光ガイドブックを発行し、2月2日から街歩き企画「まちパスポート」を展開する。
組合員への加入メリットの提供や地域活性化促進を目的とした取り組み。現在200以上の組合員が参加する同組合では、パトロールや毎日の清掃活動を行っているが、それ以上の組合員へのメリットを見いだすことが難しい状況だという。観光ガイドブックを作ることで加入店への送客や、店舗同士のつながりを深め、地域活性化を図る。同企画を10年間継続することを目指し、ファッションや食、アニメ、エンターテインメントなど年に2回ターゲットやテーマを変えながら展開していく。
第1弾となる今回は、国内全域で増えているインバウンド客をターゲットに据える。海外でも認知度の高い渋谷にも連日多くの外国人観光客が訪れている中、渋谷駅前(スクランブル)交差点や忠犬ハチ公像前での写真撮影だけで他のエリアに移動する人も多いという課題も含めて企画した。
「まちパスポート」は、渋谷センター街を舞台とした体験重視の街歩き企画として、参加店舗への集客やサービス利用、商品の購入につながる仕かけを施す。同日配布を開始するガイドブックは英語版のみで、3000部を参加店などに配布。地元の人が勧めするスポットや「ストーリー性のある」日常の渋谷センター街の楽しみ方、趣味や趣向に合わせて渋谷センター街を楽しむプランを紹介。エリア内にはガイドを配置し、観光客の要望があればエリアの案内や街歩きプランのアドバイスなどを行う。2月の毎週金曜・土曜・日曜には英語を話せる学生や留学経験者によるガイドツアーも計画している。
配布開始日には「センター街 つながるDAY」と題したイベントを、ABCマート渋谷店前の道路で開催。和太鼓の演奏やファッションショー、日本舞踊、極真空手、歌舞伎+三味線のパフォーマンスなどを行う。開催時間は13時~17時。
同組合の鈴木大輔常務理事は「センター街を訪れる多くのお客さまに最大限に楽しんでいただくことができるだけでなく、組合員の方にさらなるメリットを感じていただき、街全体での活力を上げることでセンター街の活性化促進になる」とコメントを寄せる。ガイドブックについては「ごみ問題や路上飲酒などさまざまな問題に焦点が当たり、店舗の多さやネオンに満ちた本来のセンター街の良さが伝わっていない。渋谷は日本のインバウンドの玄関口であるともいえるセンター街で日本の観光を思う存分楽しんでもらいたい。そのための旅行の思い出の一冊になれば」と期待を込める。