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JR線路またぐ渡線橋「猿楽橋」架け替えへ 全面通行止め10年超に

JR線をまたぐ「猿楽橋」(2024年10月撮影)

JR線をまたぐ「猿楽橋」(2024年10月撮影)

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 渋谷区は10月7日、渋谷~代官山エリアを結ぶ「都市計画道路補助第20号(八幡通り)」の一部でJR線路上部をまたぐ渡線橋「猿楽橋」の架け替えに関する住民説明会を行った。

新しい猿楽橋(イメージ)

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 並木橋交差点近くに架かる猿楽橋は、JR山手線などの線路と、並行する道路の上をまたぐ形で、1934(昭和9)年に完成。90年前の完工当時に比べ車両の大型化や通行台数も増え、橋梁(きょうりょう)部材の経年劣化や耐震性など、長期的な供用への安全性が懸念されてきた。架け替え工事は2026年度以降を予定し、車両を含め10年以上にわたり全面通行止めが発生する見通しとなることから、今後、鉄道事業者・交通管理者など関係機関とも調整し合いながら効率的な施工計画を立案。区はウェブサイトやSNSなどを通じて、通行止めによる影響や迂回(うかい)路について「丁寧に」周知していく方針。

 現在、橋の下では、桜丘の複合施設「渋谷サクラステージ」の再開発に伴い進められてきた、補助第18号の拡幅整備も進んでおり、整備の障害となっている橋の前後区間の擁壁などの更新工事が進行。2025年度までに同工事を終え、翌2026年度以降、架け替え工事に着手する計画。

 架け替え後は、歩道幅員2メートル以上、耐震性などを確保し、自転車通行空間も整備する。幅員は現在の15メートルから一部を15.3メートル、18.9メートルまで拡幅。車線数は現在の2車線と変わらない。維持管理が適切で容易にできる造りを採用し、200年供用できる橋を目指すという。

 架け替え工事は、JR埼京線・山手線が早朝から深夜にかけて運行することから作業時間が終電後~始発前の深夜2時間程度に限られることや、建物密集地での施工スペースの確保に制約を受けることなどから、「著しく厳しい施工環境」(渋谷区)を想定。鉄道の運行に差し支えず、安全にも配慮するため、全面通行止めが10年以上にわたると判断した。

 猿楽橋を使わない自動車の迂回路は、八幡通りを通らず旧山手通り、駒沢通り、明治通り、国道246号線などを通る案を提示。歩行者が線路をまたいで渡る橋は、渋谷駅旧新南口のホテルメッツ~渋谷サクラステージをつなぐ「渋谷駅南跨線(こせん)人道橋(南通路)」と、恵比寿寄りの線路上にまたがる「四反道(したんどう)跨線人道橋」を迂回路として提案する。四反道跨線人道橋は老朽化のため2022年度から2029年度にかけて架け替え工事が進むが、工事中も歩行者の通行は確保する。

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