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渋谷区、高知市と観光・文化交流協定 「よさこい」機に、相互で産業振興も

(左から)長谷部健渋谷区長と桑名龍吾高知市長

(左から)長谷部健渋谷区長と桑名龍吾高知市長

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 渋谷区と高知県高知市が8月23日、観光・文化交流協定を締結した。

両地域の「よさこい」関係者らも参加した

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 区では、原宿・表参道エリアで2001(平成13)年から「原宿表参道元氣(げんき)祭 スーパーよさこい(以下、スーパーよさこい)」を開催。バブル景気の崩壊を受け、「表参道から元気な祭りを日本・世界に発信しよう」と始まり、高知市とは地元商店街を中心に交流を深めてきた。

 スーパーよさこいが20回を迎えた辺りで、同祭を主催する商店街振興組合原宿表参道欅(けやき)会から高知市に協定締結を打診。コロナ禍で話が止まっていた時期を経て、今年の同祭を前に協定を締結した。

 原宿出身の長谷部健渋谷区長は「最初の頃は『なぜよさこいなのか』という声もあった」と自身が青年部にいた当時を振り返りつつ、「今では夏の終わりの風物詩にもなってきている」と触れ、「20回以上続き、区長と言う立場で区と市の文化交流などの点で協定が結ばれることを当事者として誇りに、そしてありがたく感じている」と喜びを表現。桑名龍吾高知市長は「お祭りの絆は本当に固いものだと思っている。その絆が行政の協定まできたことは、本当に意義深い。もっとよさこいを通じて絆を深めていきたい」と話し、「一極集中という話があるが、都市と地方は分断や対立するのではなく、共存していくことが求められていると思う」と協定の意義を強調した。

 協定を締結することで、交流人口の増加を図るとともに、双方の観光や文化などの振興に寄与することを目指す。連携・協力する事項は、観光・文化・産業の振興に関すること、住民の交流促進に関すること、その他両氏区の発展に資すること。

 具体的な取り組みはこれからだが、来年度には、スーパーよさこいにも参加している区立原宿外苑中学校が修学旅行で高知を訪れることが決まっている。桑名市長は「大きな渋谷区でも無いものは、海と山と川。自然に触れて地方がどんなものか見ていただきたい」と期待を込める。

 「行政同士で一緒に発展して、お互いを知ってお互いの街にシティープライドを持ってもらえるような関係になれたらうれしい」と話した長谷部区長は、区立小中学校全児童に配布しているタブレットなどICT環境を生かした交流、土産の共同開発、渋谷のスタートアップ企業の実証実験の場の提供依頼などに取り組んでいきたい考えを示した。

 桑名区長は坂本龍馬など偉人の出前講座、防災面の協定締結、市職員の研修などの考えを示しつつ、「渋谷は大消費地であり、我々は生産県でもある。いろいろな高知の物産を渋谷で販売する機会をいただくなど、産業の振興にもつなげていきたい」とも話した。

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