渋谷区観光協会は8月15日、ファッションデザイナーの渋谷ザニーさんを本年度の渋谷区観光協会観光大使に任命したことを発表した。

　同協会は、協会の事業に賛同し区のブランディング・街づくりなどに寄与し協会の活動を一緒に推進し街を盛り上げる役割として、「アンバサダー」の名で活動していた人たちも含めて2020年から「観光大使」の名で統一して任命している。

　現在、原宿出身で音楽ユニット「ホフディラン」の小宮山雄飛さん、タレントで振付師の「KABA.ちゃん」さん、ヒップホップミュージシャンのZeebraさん、アーティストやタレントとして活動する「あっくん」さんの4人が活動している。ファッション分野の発信者がいなかったことから、渋谷さんを新たに任命した。

　ミャンマー（旧ビルマ）生まれの渋谷さんは、8歳の頃に軍事政権下のミャンマーから家族と共に政治難民として来日。雑誌モデルとしてスカウトされ、MAGNET by SHIBUYA109（旧109メンズ）1周年記念のビルボード広告のモデルを務めた経験も持つ。大学卒業と同時にファッションデザイナーに転身し、2011（平成23）年にブランド「ZARNY（ザニー）」を設立。映画・ドラマ・舞台などの衣装デザイン、企業・スポーツのユニホーム、上皇后陛下の御退位と天皇陛下の御即位に伴う式典での皇族の衣装などを手がけ、パリオリンピックでは「難民選手団」にデザインした衣装を贈るなどしている。

　19歳で「渋谷」を名乗り始めた渋谷さんは、「渋谷で名前と人権をもらい、渋谷で一人暮らし、渋谷で恋をし、渋谷で結婚し、渋谷で父となり、渋谷で家族を持った。私の証明は『渋谷』の可能性。多様性を認め合う社会 ・文化 ・経済の国際都市・世界に誇る『渋谷』の証明」などとコメントを寄せている。