渋谷「Bunkamuraオーチャードホール」(渋谷区道玄坂2)で2月1日、今春上演する「坂東玉三郎×鼓童特別公演 幽玄」の製作記者発表会見が開かれた。
歌舞伎俳優・坂東玉三郎さんと佐渡を拠点に活動する太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」の共演作となる同作。
両者の出会いは2000年。2003年には坂東さんが鼓童の単独舞台「鼓童ワン・アース・ツアー スペシャル」を演出したことからし、2006年には舞台「アマテラス」で初共演し、翌年歌舞伎座で再演。2013年の再再演では67公演全てがチケット完売となった。2012年から4年間、坂東さんは鼓童の芸術監督も務めた。
再共演となる今回のテーマは「幽玄」。室町時代の世阿弥(ぜあみ)が見た世界を、能の演目「羽衣」(1幕)、「道明寺」、「石橋(しゃっきょう)」(以上2幕)を題材にして表現するという。「日本(様式の)ものをやりたい」という鼓童メンバーの要望から、演出も手掛ける坂東さんが構想。坂東さんは「極端に日本のものと言えば世阿弥」と言い、「歌舞伎とも鼓童の演奏とも違う世界にいくという思いを込めて、幽玄をテーマにした」と話す。舞台には、日本舞踊家・花柳壽輔(じゅすけ)さんをはじめ花柳流の舞踏家も出演する。
鼓童の演奏者、石塚充さんと中込健太さんは、普段鼓童が行っている演奏とは様式が異なることから「難しさを感じている」と口をそろえるが、「お客さまにはシンプルに楽しんでいただき、記憶に残る舞台にしたい」と石塚さん。中込さんは「玉三郎さんにはいつも、新しい太鼓の響きに気付かせてくれる。今回もどんな響きが発見できるのか楽しみ」と意欲を見せる。
公演期間は5月16日~20日。鑑賞料は、S席=1万3,000円、A席=1万円、B席=6,000円、C席=3,000円。今月4日一般発売。