青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で1月29日、男子プロバスケ「Bリーグ」のサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)とリンク栃木ブレックス(栃木)の試合が行われた。
同所をホームアリーナとして使うSR渋谷は、前日に続く栃木との一戦。チケットは完売となり3133人が来場した。
第1クオーター(Q)序盤から栃木に攻め込まれるが、ベンドラメ礼生選手の3ポイント(P)とレイアップの連続シュート、広瀬健太選手のスチール(相手の攻撃中にボールを奪う)から伊藤駿(たかし)選手のドライブ(ドリブルでディフェンスを抜くプレー)でフリーとなったアールティー・グイン選手がジャンプシュートを決めるなど、食らい付いたSR渋谷。第2Qでスチールを見せた大塚裕土選手は3Pを決めるとガッツポーズで喜びを表現。藤高宗一郎選手のバックロールターンを交えたドライブからのレイアップなどで徐々に詰め寄り、広瀬選手の3Pで32対31と1点リードして前半を折り返した。
後半序盤は点の取り合いとなるも、中盤はシュートが決まらず得点が伸び悩んだSR渋谷だったが、アキ・チェンバース選手の3Pで状況を打開。45対47と再びリードを許してしまうが、勢いそのままに第4Q開始12秒で伊藤駿(たかし)選手のシュートでゲームを振り出しに戻す。一進一退の攻防の中、栃木が連続得点で引き離しにかかるも、ブラウン選手のバスケットカウント(相手のファウルによりフリースローを得る)となるレイアップやダンク、残り9秒でボールを手にした広瀬選手がゴール真横(0度)からのシュートを決め同点に追いつくと、場内のボルテージは最高潮に達した。
熱気に包まれる中始まったオーバータイム(延長=1Q5分)。チームファールが5回を超えていた両チームは、ファールからのフリースローを中心に得点を重ねる。同点で同Qを終えると、2分間のインターバルを挟み再延長戦へ突入。ブラウン選手がレイアップシュートで先制するも放つシュートがゴールに嫌われるSR渋谷だったが、果敢に攻め込みリバウンドに体を張るなどアグレッシブにプレー。集まったブースター(ファン)も大きな声援で後押しするも、一歩及ばず78対82で敗戦となった。
SR渋谷のBTテーブスヘッドコーチ(HC)は「ディフェンスは終始チームの作戦を遂行でき、特に伊藤選手がディフェンスでゲームを戻してくれた」評価しつつ、「オフェンスでは最後の方はサクレ選手に頼りすぎてしまった。オフェンスは良くなっていく過程」と課題点を挙げた。2日共に3000人以上が来場した今節。「これだけの人が来場して外に並んでいたら、前を通った人からは何かやっているようには見える。良い雰囲気の中、良いチームとできて良かった」と言い、ブラウン選手も「栃木のファンにも多くきてもらい、素晴らしい雰囲気の中試合できた。シーズンを通して見ても一番良い試合ができた」と話す。
ドライブや3P、リバウンド4本、アシスト4本と随所でチームに貢献した藤高選手は、「(今月18日の)川崎戦から良い感じで来ることができている」と手応えを感じている様子。「サクレが加入したことでリバウンドが取れるようになったので、外のシュートも思い切り打つことができる」という。「勝てなかったのは残念だが自信につながる試合。この調子を維持して、HC、チームメート、ファンの方の期待に応えられるように自分を出していきたい」と意欲を見せる。
今節の試合で「チームの成長」を感じ取った広瀬選手。SR渋谷の強みの1つでもあるディフェンスについては「オフェンスよりも基礎にならないといけない。OBの方たちが培ってきたものなので、チームスピリットとして残していかないといけない」と話す。最終Qラストで同点に追いつくシュートは「自分たちがやりたかったプレーではなかった」と言うが、「個人的にしっかりと2点を取ることはチームの課題にしないといけないと思っていたので、判断良く打てた」と振り返り、「決めたことで若手にもベテランが頑張っていることを見せられたのでは」と冗談めかした。
栃木のトーマス・ウィスマンHCは今節を「タフな2試合だった。ファンの方にとっても素晴らしい試合になったのでは」と振り返る。SR渋谷については「運動能力の高く、サクレ選手も入り危険なチームになってきている。いいチームに仕上がってくるのでは」とたたえた。
次のSR渋谷の同所での試合は2月25日・26日の京都ハンナリーズ戦。観戦料は、コートサイド・ベンチ裏席=7,800円、1階指定席=3,800円、2階自由席=大人2,400円ほか。