Bunkamuraで舞台「シブヤから遠く離れて」 12年ぶり上演、主演に村上虹郎さん

渋谷を舞台にした「シブヤから遠く離れて」より。主演する村上虹郎さん(左)と小泉今日子さん(右)

渋谷を舞台にした「シブヤから遠く離れて」より。主演する村上虹郎さん(左)と小泉今日子さん(右)

  • 0

  •  

 Bunkamuraシアタコクーン(渋谷区道玄坂2)で12月9日から、舞台「シブヤから遠く離れて」が上演される。

12年前と同じマリーを演じる小泉今日子さん

[広告]

 2004年に同施設15周年記念企画として制作された同作。劇作家・演出家の岩松了さんが演出家・蜷川幸雄に初めて書き下ろした作品で、渋谷を舞台にする青春譚(たん)でラブストーリーになっている。出演した女優・小泉今日子さんが岩松さんに「(自身で演出を)やればいいのに」と言っていたことから、岩松さん自身の演出で再演が決まった。

 舞台は渋谷・南平台辺りの廃虚と化した邸宅。かつて友人のケンイチが住んでいた邸宅に訪れた青年・ナオヤは、邸宅に身を隠している女性・マリーと出会う。邸宅には、マリーに恋するアオヤギ、マリーが以前住んでいたアパートの管理人フクダなどさまざまな人が訪れる。ナオヤは邸宅の中で過去を懐かしむも、マリーたちは邸宅がケンイチの家だったことを知らず、ケンイチの行方も分からない。混乱する中で、ナオヤが封印していた悲しい真実がよみがえってくる――。

 前回、嵐・二宮和也さんが演じた主役のナオヤを演じるのは、2014年に映画「2つ目の窓」(河瀬直美監督)で俳優デビューしドラマ「仰げば尊し」などに出演した若手俳優の村上虹郎さん。岩松さんと小泉さんの意見が一致して決まったという。

 マリーは前回と同じく小泉さんが演じる。前回キャスティングにも携わっていたという岩松さんが小泉さんにオファーを掛けたといい、「マリーは小泉今日子という配役で書いた。いまだにキョンキョンの役だと思っている。当時と同じ気持ちでマリーを投影できているのは狙い通りだったのでは」と話す岩松さん。小泉さんは「同じ役を演じているというより新しい役に挑戦している感覚の方が強い」という。「渋谷をテーマに描かれているが、12年前と一番変わったのは渋谷の街なのでは」とも。

 小泉さんは村上淳さんとUAさんを両親に持つ虹郎さんと幼少期に会ったことがあるという。「成長の過程は見ていないが、突然青年になった虹郎君が目の前に現れて、一緒に芝居をやっていることがちょっと奇跡のような感じがしてわくわくした」と振り返り、「主役としておとこ気を感じたし、芝居に対する真摯(しんし)な姿勢を感じた。おばさんとしてはこれからが楽しみ」と笑顔を見せる。

 村上さんは「12年前の渋谷は知らないが、今この渋谷で渋谷の話をやるのはすごくいいことなのでは。渋谷の地名もセリフで出てくるし、きっと地方ではできない作品。皆さんに集まっていただいてこの瞬間を共有できたら」と呼び掛ける。

 鑑賞料はS席=1万円、A席=8,000円、コクーンシート=5,000円。今月25日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース