国立代々木第二体育館(渋谷区神南1)で10月15日、男子バスケ「Bリーグ」の「アルバルク東京(A東京)」と「仙台89ERS(仙台)」の試合が行われた。
同体育館をホームアリーナとするA東京のホーム開幕戦となったこの日、会場には2705人が来場。来場者全員にタオルマフラーを、先着2000人にTシャツを進呈するなどし、場内をチームカラーである「赤」に染めた。
18時のティップオフ後、ボールをキープしたのはA東京だったが、坂本ジェイ選手のジャンプシュートで仙台に先制を許す。ディアン・ギャレット選手の3ポイント(P)シュートから得点を重ね、22対15で第1クオーター(Q)を終了。第2Pは、ダンクシュートを含む8得点を挙げたほか、スティールやリバウンド、アシストなどで田中大貴選手が場内を魅了。19点差をつける49対30で前半を折り返した。
第3P開始直後、仙台・熊谷宜之選手の3P、ディオン・ライト選手のレイアップシュートと連続ポイントを許す場面も見られるも、トロイ・ギレンウォーター選手が5得点を挙げるなど19得点差は変わらず67対48。第4Qは、2連続3Pやもらったフリースロー6本全てを決めるなど12得点を挙げたギャレット選手の活躍もあり、最終的に95対60でA東京が勝利。今年同チームに移籍した竹内譲次選手は12得点、リバウンド10本、アシスト3本とチームに貢献した。
ホーム開幕戦に「やっと代々木第2体育館でプレーできて良かった」と話したA東京・伊藤拓摩ヘッドコーチ(HC)。「オフェンスで息が合っていないが新しい選手が6人入ったので当然のことなので、試合前に選手たちにはディフェンスからリズムを作っていこうと話した。できていない中で勝てているので、前向きにとらえている」と話したが、立ち上がりには「入り方は良くない。スロースターターなので…」とも。この日チーム最多となる25得点を決めたディアンテ・ギャレット選手については「まだまだ本人も納得がいっていないと思う。求めるところはもっと高い」と期待を込めた。
ヒーローインタビューで松井啓十郎選手は「場内が真っ赤に染まってエネルギーをもらえて力になった」と、会場に集まったファンにあいさつ。この日は得意の3Pを4本決め、「1本目がきれいに決まったところから、積極的に打っていった」と振り返った。日本でのプレーに「徐々に慣れてきている」と話したギャレット選手は「外からのシュートが決まっていたので、中に切り込んでいくスペースも作れた」とも。
仙台の間橋健生HCは「全体的にA東京のプレッシャーに対応しきれなかった」と言いながらも「数十分は我々のプレーができた。離されても我慢強くプレーし、皆でボールをシェアできたことが日本人選手の活躍につながった」と評価した。
A東京は1948(昭和)年にトヨタ自動車の実業団として創部。NBL2015-2016ではレギュラーシーズン1位。今年始まった「Bリーグ」の開幕戦も戦った。チーム名は「電撃」を意味するアラビア語が語源で、「スピーディーでアグレッシブな電撃的プレーで、観客を魅了する」という思いと、「AL=The、V=勝利(Victory)、ARK=箱舟」を掛け合わせた「勝利を運ぶ箱舟」という意味も持ち合わせている。メインチームカラーは赤。
両チームは今月16日にも同体育館で試合を行う。