渋谷駅東口地下で進む地下貯留槽や広場の工事現場が6月16日、報道陣に公開された。
都市再生緊急整備地域に指定されたことから、東急電鉄、JR東日本、東京メトロを中心に駅周辺4街区で再開発(渋谷駅街区土地区画整理)事業が進められている渋谷。2014年8月、同再開発の中核となる「渋谷駅街区」の開発計画I期(東棟)本体工事に着手。並行して地下・地上で東口エリアも整備している。
宮益坂中央改札近くに位置する東口地下広場。JR線や東京メトロ銀座線など地上にある駅と、東急東横線や東京メトロ副都心線など地下にある駅を結ぶ空間として、乗り換え時の歩行者ネットワークや滞留空間の両面から「非常に重要な空間」(同社)になる。延べ床面積は約1600平方メートルで、最高天井高は約6メートル。2019年度ごろ完成予定。
東口地下広場の整備に先駆けて昨年8月、駅地下を流れる渋谷川を東(明治通り)側に移設する工事を行った。1階床面から3~4メートル下を流れる河川の移設距離は約160メートル、幅は約10メートル、計画流量は1秒で95トン。
雨水貯留槽は、駅周辺がすり鉢状の地形であるため豪雨時などに冠水することもあったことから整備を進めているもの。最深部は地上から約25メートルで、面積は平面が約20メートル×約45メートル、天井高は約7メートル。最大貯留量は約4000トン。1時間に50ミリの雨が降った場合に雨水のストックヤードとして使われ、雨水は雨が上がった後にポンプでくみ出して下水に排水する。2020年度ごろ完工予定(調整中)。
2019年度の渋谷駅街区東棟完成時にはほかにも、地下2階から地上3階までをエスカレーターやエレベーターで縦につなぐ「アーバンコア」や、地上東口駅前バスターミナルの再配置、国道246号線に架かる東口・西口両方の歩行者デッキの拡幅などの整備も予定。
再開発事業としてはその後、駅前広場やタクシープールなど西口エリアの整備も控えている。2027年度に終了予定。総事業費は577億円。