JR東日本は6月8日、原宿駅(渋谷区神宮前1)など3駅の改良工事計画を発表した。
2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、利用者が多く見込まれる競技会場周辺駅などの主要乗換駅を改良するもの。
新しい原宿駅は、現在の駅舎に隣接するかたちで渋谷方面の位置に建設。線路とホーム上にわたる2階建てとなる予定で、コンコースや改札口、トイレの拡張、エレベーターを増設する事で混雑緩和を図る。
現在1面2線のホームは、初詣客向けに年始のみ使っている明治神宮敷地内の臨時ホームを外回り専用ホームにすることで2面化。外回りホームは通路で竹下口改札とつなげる。出入り口は、現在の表参道方面、竹下通りの2カ所に加えて、明治神宮側にも設置するという。
原宿駅は1906(明治39年)に開業。現在の駅舎は1924(大正13)年に完成した2代目で、尖塔付きの屋根や白い外壁が特徴のイギリス調のデザインとなっている。都内で現存する最古の木造駅舎で、来街者が写真撮影する姿も多く見られる。駅機能は全て移設するが、現在の駅舎自体を取り壊すかどうかは、渋谷区や地元の商店街などと検討するという。
併せて、国立競技場に近い千駄ヶ谷駅(千駄ヶ谷1)と信濃町駅の改良計画も発表。千駄ヶ谷駅は現在使われていない臨時ホームを新宿方面専用のホームとして活用し、新宿寄りに改札口を移設することで利用客の導線をスムーズにする。両駅でホームドアを設置して安全性の向上を図るとともに、エレベーターの増設やトイレの拡張を行う。
3駅の工事費総額は約250億円を見込む。着工時期は未定。