恵比寿駅西口に4月15日、商業施設「アトレ恵比寿西館」(渋谷区恵比寿南1、TEL 03-5475-8500)が開業する。事業主はクレディセゾン(豊島区)の連結子会社で土地を保有するアトリウム(千代田区)で、運営はアトレ(恵比寿4)。
ファッション中心ではなく、カフェなど飲食店舗の比率を既存のアトレより高めた同店。アトレは、1997年にJR恵比寿駅に直結する商業施設として開業した「アトレ恵比寿(本館として改装)」を20~30代のOLをコアターゲットにした施設づくりを行ってきたが、「2016年みんなが選んだ住みたい街ランキング関東版」(リクルート住まいカンパニー調べ)で恵比寿が1位になるなど居住者が増えている背景から、世代などを問わず恵比寿エリアに住む人をターゲットに、「日常の利便性を高める」「より生活に寄り添った施設」づくりを目指した。
延べ床面積は、地下1階~地上9階の10フロア計約9700平方メートルで、本館(2万3486平方メートル)の40%ほどの規模。建物の高さは約45メートル。「La Patio(中庭)~“わたし”と“街”とをつなぐ場所~」を施設コンセプトに、西口ロータリーに面したファサードをガラス張りにし、ほとんどのフロアで窓際に客席を配置。来街者と来館客双方の「見る・見られる関係」を生み出した。西館開業に合わせて、JR恵比寿駅東口改札、本館(3階)、西館(4階)をつなぐ西口連絡通路も新設し、東口と西口の回遊性向上を図る。
店舗数は23で、地下1階は生鮮食品や総菜、調味料など幅広くそろえるスーパーマーケット「ザ・ガーデン自由が丘」。エントランス階となる1階は国内2店舗目となるNY発バーガーショップ「シェイク シャック」(100席)や、恵比寿発スペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲(コーヒー)」(22席)などの話題性のあるショップや、フラワーショップ「レ ミフォイユ ドゥ リベルテ」が出店。
2階・3階は、マッシュホールディングス(千代田区)、ジュン(港区南青山2)が各1フロアをプロデュースする。2階「MASH Wellness Floor」には、1号店となるオーガニックレストラン「Cosme Kitchen Adaptation」(56席、想定客単価は2,000円~2,500円程度)や、NZ発ホームケアブランド「ecostore」アジア1号店など6店舗で構成。3階は、レディスファッション「ロペ」「アダム エ ロペ」「アダム エ ロペ ル マガザン」、空間プロデューサー山本宇一さんがプロデュースするビストロ・カフェ「サン トロペ」(87席、想定客単価はランチ2,000円弱、ディナー4,000円前後)の、「ロペ」ブランド4店舗を集積。同店では石窯で焼くピザやパスタを中心にラインアップする。
連絡通路でつながる本館3階の出店内容に合わせ、4階ではバラエティーフーズを展開。嗜好(しこう)品の商品構成比率を高め、サンドイッチパン「デリパン」の対面販売コーナーを初めて設けるスーパーマーケット「成城石井」とワインバー「Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYO」(62席、想定客単価はランチ1,000円~1,500円円、ディナー4,000円前後)の併設店、パン約30種類やスイーツ・焼き菓子約15種類などを扱うベーカリーカフェ「ル・グルニエ・ア・パン」(14席)、立ち飲みスペースを用意するリカーショップ「恵比寿君嶋屋」、自社各肉商品や輸入商品を中心に欧州料理を展開する「バル マルシェ コダマ」(30席、客単価はランチ1,200円、ディナー3,000円~4,000円程度)の4店舗で構成する。
5階・6階には本館から「無印良品」(1189.44平方メートル)が移転拡大オープン。女性客を意識した同店では、商品を試せるメークカウンターを関東で初めて設けるほか、着なくなった服などを消費者から回収し染め直した一点物の商品(2,900円均一)ライン「ReMUJI」などを新たに展開。「MUJI BOOKS」は国内3店舗目で約1万20000冊の書籍をそろえ、国内で初めて中国のインディペンデント出版レーベル「読庫(どっこ)」のノートブックもそろえる。
7階のサロン「ピーク・ア・ブー アヴェダ」(シャワー台10席、セット台22面)は、オーガニックヘアケアブランド「アヴェダ」とコラボしたコンセプトショップで、アヴェダの商品もフルラインアップ。同階の点心料理店「ディンタイフォン」(104席)は、バーカウンターやカップル席なども用意し、夜間利用を見込んでアルコールのラインアップに注力。14時までのビジネスマン向けのランチやキッズメニューもそろえ、さまざまな利用客に対応する。想定客単価は、ランチ=1,300円~1,400円、ディナー=2,500円~3,000円。
テナント最上階となる8階には、プラントハンター西畠清順さんが手掛けるガーデンテラス「アトレ空中花園」を設け、樹齢500年のオリーブを中心に日本のハイビスカスや砂漠などで育つサトウナツメヤシ、南米などに生殖するノコギリヤシなど数十種類の植物を植えた。同階のシーフードレストラン「シロノニワ」は、メインのダイニングやバーラウンジ、空中花園を望むテラス席など172席を用意。南米風魚介のマリネやブイヤベースなど、世界各地のシーフード料理を提供する。想定客単価は、ランチ=1,500円、ディナー=5,000円~。9階はバックヤードとなる。
営業時間は、ショップ=10時~21時30分、レストラン=11時~23時(一部異なる)、空中花園は10時~21時、西口連絡通路は8時~24時。年間売り上げ目標は66億円。