渋谷HUMAXシネマ(渋谷区宇田川町)で3月26日から、ロックドキュメンタリー3部作「ザ・デクライン」シリーズがレイトショー上映される。
「西洋文明の衰退」との意味を持つ同シリーズ。1作目の日本公開から30年でのリバイバル上映となる。メガホンを取ったのは、米ペネロープ・スフィーリス監督。高校を卒業後、映画学校やUCLAで映画を学びテレビ番組の制作や撮影、編集に関わるようになり、1974年に自身の音楽ビデオ制作会社ROCK'N REELを立ち上げ、さまざまなアーティストのライブを撮影している。
監督デビュー作品となった「ザ・デクライン」(1981年、上映は26日~4月1日)は、1979年~1980年ごろのロサンゼルスのパンク・ハードコアシーンやユースカルチャーをとらえた作品で、BLACKFLAG、CIRCLE JERKS、ALICE BAG BANDなどのバンドが出演している。
同作から7年後に製作された2作目の「ザ・メタルイヤーズ」(1988年、同4月2日~8日)では、メタルにフォーカスを当てた。Aerosmithのスティーヴン・タイラーさん、ジョー・ペリーさん、KISSのアリス・クーパーさん、ジーン・シモンズさん、ポール・スタンレーさん、オジー・オズボーンさん、昨年12月に亡くなったMotorheadのレミー・キルミスターらのインタビューが収められている。
3作目「ザ・デクラインIII」(1998年、同4月9日~15日)は日本初公開。1990年代のハードコア・パンクシーンの中で、「精神性とライフスタイルがアンダーグラウンドに行きついた」パンクスに焦点を当てた。FINAL CONFLICT、THE RESISTANCEなどのバンド、Red Hot Chili Peppersのフリーさんも登場。幾度かの映画祭で上映後、ディストリビューションを得るために営業を行ったが、同作を配給する上で1・2作目の権利譲渡を条件に求められたことを断ったため、一度も商業ベースで配給されることがなかったという。
各作品の公開初日限定で、上映前に本編未収録の映像を上映するほか、来場客全員に「ザ・デクライン」ステッカーを進呈する。