青山学院大学(渋谷区渋谷4)で3月5日、正月の箱根駅伝で2連覇を達成した同校陸上競技部の優勝記念セレモニーが開かれた。
セレモニーには、長距離ブロック駅伝チームの原晋(すすむ)監督をはじめ、部員55人全員が参加したほか、一般客約1500人が祝いに駆け付けた。代表して、原監督と前キャプテンの神野大地選手(4年)が青山学院・堀田宣彌(のぶみつ)理事長から表彰状と金メダルを受け取った。青山学院幼稚園の年長24人も参加し、「これからも頑張ってください。応援しています」と声をそろえた後、原監督に手作りのたすきと色紙を手渡した。セレモニー終了後には、箱根駅伝にエントリーした選手17人と原監督は集まったファンたちとハイタッチで交流した。
原監督は、1000キロ走り込んだ夏合宿を例に「泥臭い努力を見てきた」と昨年を振り返り、1区から10区まで1度も首位を譲らなかった39年ぶりの完全優勝を「輝きのある走りだった」と評価。今年は、個性を大切にしつつ最後はチームとして努力するという意味を込めて「個の色を合わせて緑となれ」をテーマに、「3冠、3連覇、3にこだわっていきたい」と意気込んだ。
選手たちには、選考レースを突破できなかった時代があったことを述べ「各世代の思いがたすきとしてつながっているのを忘れてはいけない」と言い、「今後10年に向けてどう作るか、今できることの半歩先を見据えてやっていこう。感動を与えられる選手・チームを作っていこう」と激励した。
セレモニーを終えた小椋裕介選手(4年)が「年々応援してくれる方が増えているのを実感したので、後輩にはもっと応援してもらえるチームになってもらいたい」と期待を込めると、久保田和真選手(4年)も「(今の2・3年生は)優勝しか味わっていないが、青学らしい駅伝をしてほしい」と話した。
新チームのキャプテンを務めるのは安藤悠哉選手(3年)。同部では、5年続けてキャプテンに選ばれた選手がけがをしており、安藤選手もその「ジンクス」にはまってしまっている。しかし、安藤選手は「けがをしてもキャプテンだった先輩方は必ず良い結果を出しているので、今は体を作ってこれからに向けてやっていきたい」と前向きな姿勢を見せた。
2月28日に開かれたリオ五輪選考会を兼ねた東京マラソンで日本人2位に入賞した下田裕太選手(2年)は「チャンスがあるのであれば、出たいという強い気持ちはある」としながらも、「青山学院に入学した時から箱根を目標にしてきたので、他大のエースと競り合って勝てる選手にならなくてはいけない。トラックシーズンから他大を意識して3連覇を目指したい」と意気込む。
同じく東京マラソンで日本人3位に入賞した一色恭志(3年)選手も「しっかりやればいけるという手応えはつかめた」と同大会を振り返りつつ、「マラソンだけでなく、5000メートルや1万メートルなどもマルチに走れるようになりたい」話した。「チームの最終目標は箱根3連覇だが、3冠に向けて、一つ一つ勝ちに行くことをサブテーマ」とも。
4年生は実業団で陸上を続ける選手が多い。神野選手もその一人で、「東京五輪でメダルを獲ることが一番の目標。世界陸上やマラソンも狙って精進していきたい」と将来を見据えた。新キャプテンの安藤選手に「焦らず1人でチームを背負うのではなく、同学年の選手にも頼りつつチームを引っ張っていけば、いい結果につながる」と前キャプテンからエールを送った。
青山学院は同日、パラリンピック・パラスポーツの普及啓発に協力することも発表。盲人マラソン選手のための伴走者(ガイドランナー)の育成・普及に取り組むという。