表参道ヒルズ(渋谷区神宮前4)は開業10周年を迎える来年2月11日から順次、大規模なリニューアルを行う。
森ビル(港区)が手掛ける同施設は、同潤会青山アパートの再開発事業として2006年の同日開業。西館(地下2階~地上2階)、本館(地下3階~地上3階)、同潤館(地上1階~3階)の3棟・全長約250メートルで構成し、延べ床面積は34,061.72平方メートル。建物の設計には建築家の安藤忠雄さんが携わっている。
同施設では30~40代の「エイジレスな」男女など大人をターゲットに約100店舗を展開しているが、今回のリニューアルでは開業以来最大規模となる41店舗(新店舗33店舗、移転・改装8店舗)を刷新。表参道・原宿がファッションエリアであることから「世界的発信力のある」ファッションブランドを中心に集積するという。
今年8月から館内でポップアップストアとして営業していた伊ニットウエア「Bark(バーク)」(経営=三喜商事)がアジア地区初の常設店で旗艦店を出店するほか、NYソーホーに店舗を構える日本発ジュエリーブランド「Hirotaka」(パルメット イノウエ)、スタイリスト白幡啓さんがディレクションするセレクトショップ「styling/」(マッシュスタイルラボ)、来春から展開するレディスバッグやアパレルなども合わせて提案する「BRIEFING(ブリーフィング)」(ユニオンゲートリテールズ)のポップアプストアなどが国内初出店となる。
そのほか、ファッションブランド「Maison MIHARA YASUHIRO」(sosu)、伊発ファッションブランド「VALENTINO」(ヴァレンティノ ジャパン)、松本恵奈さんが手掛けるレディスファッションブランド「CLANE(クラネ)」(CLANE DESIGN)などの旗艦店、豪発帽子・バッグブランド「HELEN KAMINSKI(ヘレンカミンスキー)」(ヘレンカミンスキージャパン)の新コンセプトショップ、商業施設初出店となる東コレブランド「FACETASM(ファセッタズム)」(ファセッタズム)などが新規オープン。
レディスファッション「ADORE」(サンエー・インターナショナル)が旗艦店となるほか、バッグ&レザーグッズ「dan genten」(クイーポ)、レディスアンティークウオッチ専門店「CARESE」(ケアーズ)などが移転・リニューアル予定。
カフェ・レストラン業態では、パリ発スイーツブランド「HUGO&VICTOR」(マッシュホールディングス)がイートインスペースを併設した旗艦店を日本初出店。1924(大正13)年創業の築地玉寿司(すし)が「大人のすし店」をコンセプトに手掛けるすし店やドイツ生まれの生パスタ「シュペッツェレ」約20種類などを提供する「Spatzle CAFE&BAR」(ザート・トレーディング)などの新業態店もお目見えする。カルチャーコンテンツとして、渋谷・道玄坂にも店舗を構える「森の図書室」、1996年に同潤会青山アパートの一室で発足し現在は神宮前に出店しているギャラリー「ROCKET」(キャップ)も新たにオープンする。
併せて、エントランスホールには、英・中(繁・簡)・韓対応のタッチパネルやデジタルポスターを新設し、全館無料Wi-Fiを備えるなどインバウンドにも対応。ライティングデザイナー内原智史さんは、ファサードの外観照明を照明で照らすガラス面と縦ラインのLEDにリニューアルする。本館地下3階の催事場「スペース オー」前には、ファーニチャーレーベル「E&Y」松澤剛社長がプロデュースする家具を設置してギャザリングスペースを作る。
リニューアルは来年6月までを予定。