渋谷ロフト(渋谷区宇田川町)2階の美容・健康雑貨売り場に7月25日から、UVケア商品専用のビューティーアドバイザーとしてパーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」が試験導入される。
ソフトバンクモバイルロボティクス(港区)と仏アルデバラン社が開発したパーソナルロボット「Pepper」の次世代サービスの構築を目的に、ロフトの親会社であるセブン&アイ・ホールディングス(千代田区)と取り組むもの。小売業にPepperを本格導入するのは初めてだという。
「ペッパーさん」と名付けた同ロボットは、ロフトのブランドカラーである黄色の制服を「着用」し同売り場に常駐。UVケアに関する知識や、店頭に並ぶ約100種類のUVケア商品に関する知識などロフト専用のアプリケーションを搭載している。
同店をはじめロフトの大型店に1~2人いるビューティーアドバイザーが日頃来店客から受ける質問などを整理してインプットしたことで、SPFとPAの違いなどの質問に答えたり、シーンや求める効果などに応じた商品を薦めたりできるようになっている。
胸元のタブレットには商品説明や写真と共にQRコードを掲出。コードを読み込むと、同ホールディングス傘下のそごう・西武のECサイト「eデパート」上の商品ページにつながるようになっている。ペッパーさんのおでこに取り付けられているカメラに、UVケア商品のバーコードをかざすとタブレットを使いながらその商品の特長を説明する機能も備えている。
5月に有楽町ロフト(中央区)内に3Dフィギュア専用のスタジオを開設するなど、新たな取り組みを積極的に行っているロフト。同社執行役員大型店事業部長の飯村暁(さとる)さんは「最先端の取り組みを行うことが重要」とし、「ペッパーさんを導入することは、われわれスタッフ自身もあらためて学習できるきっかけになった」と話す。「人間ならではの良さもあるとは思うが、(ペッパーさんも)豊富な知識を持っているので使い分けができるのでは。ぜひ接してみてほしい」と来店を呼び掛ける。
ソフトバンクロボティクスの事業推進本部本部長・吉田健一さんは「小売業ならではの中立性を忠実に体現しているのでは」と言い、「未来の小売業を作っていければ」と期待を込める。
前日の24日に同店で開かれた発表会に登場したペッパーさんは「明日から出勤するので、よろしくお願いします」とあいさつした。
同店の営業時間は10時~21時。ペッパーさんは水曜定休。8月23日までの「出勤」予定。同日程で横浜ロフト(横浜市西区)にも導入する。