表参道に6月20日、クロワッサン触感のドーナツ「クロナッツ」で知られるNY発ペイストリーショップ「DOMINIQUE ANSEL BAKERY (ドミニクアンセルベーカリー)の日本1号店「DOMINIQUE ANSEL BAKERY TOKYO」(渋谷区神宮前5、TEL 03-3486-1329)がオープンする。経営はD.A.B. PASTRY(港区南青山5)。
仏生まれのドミニク・アンセルさんが2011年にNY・ソーホーに出店した同店。オープン後4カ月で、タイム・アウト・ニューヨークで「ベスト・ニュー・ベーカリー・オブ2012」を受賞するなど早くから注目を集め、2013年に発売した「クロナッツ」が大ヒットし、その名が広く知られるようになった。
世界2店舗目で日本1号店となる同店は、表参道から1本入った路面に位置する。店舗面積は1階5.87坪、2階51.9坪。席数は、テークアウト中心の1階=16席、レストランスタイルの2階=72席。店舗は白を基調にし、エントランスにはアンセルさんのイラストパネルと一緒に写真が撮れるポップアップウインドーを設ける。
店舗は「ニュージェネレーションベーカリー」をテーマに2050年からインスパイアされた空間づくりを意識。地下鉄をイメージした1階壁画には、仏グラフィックアーティストのバーラム・ムラーティアンさんによる線路図をデザイン。NYやパリ、東京などの都市名、「クロナッツ」などの商品名などを駅名として描き、アンセルさんの「作品作りの根源となるもの」を表現した。公園をイメージした2階には、シナモンやコーヒーの葉、バニラの木など「料理と新和性の高い」植物を置いている。同フロアには茶室からインスピレーションを受けた個室1室(6人、当初は招待客のみ)も備えている。
同店では約100種の商品をそろえ、約7割がNYでも提供する商品、約3割が日本限定・独自の商品で構成。商品は、ショットグラス型の柔らかいチョコチップクッキーに、ホワイトチョコやバニラなどを加えた冷たいミルクを注ぐ「クッキーショット」(518円、15時からの販売、1人2個まで)、ライムクリームのタルト生地の上に皮などを使ったライムのムースを乗せ、ブランシュガーなどをかけて食べる「ライムミーアップタルト」(734円)ほか。「クロナッツ」(594円、1人2個まで)は月ごとにフレーバーを変える商品で、今月はミルクやユズ・レモンなどのクリームで提供する。
日本限定メニューとして、リング状のシュー生地に抹茶ガナッシュ・バニラクリーム・パッションフルーツジャムを合わせたクリームを挟む「パリス トウキョウ」(756円)などもラインアップ。2階限定メニューとして、ミニサイズのロブスターロールやアップルサイダードーナツ、スイカのガスパチョなどをセットにした「セントラルパークビスケット」(2人分、5,184円)、「オムレツスフレ」(1,350円)、ソーホー・ブルックリン(以上1,296円)など地名をメニュー名にしたトーストなどの軽食も用意する。
かねて「日本の食や文化に興味があり、憧れを持っていた」というアンセルさんは、10回以上来日したことがあると言い「フランスも日本も食べ物に感謝する気持ちを持っている。ソーホーと表参道はトレンドの発信地であることが共通点」と話す。「当店でしか食べられないこと、ユニークであることを大事にしてきた。たくさんの方に自慢のペイストリーを提供できるのがとても楽しみ。食べた感動を家族や友人たちと分かち合ってほしい」と来店を呼び掛ける。
国内展開を手掛ける国内展開を手掛けるD.A.B.PASTRYは、アパレル事業を展開するTSIホールディングス(港区、以下TSIHD)と、ブランディングプロデュース事業などを手掛けるトランジットジェネラルオフィス(北青山3、以下トランジット)が昨年9月に設立した合弁会社。
同店で本格的に飲食事業に参入するTSIHDは、かねてカフェを併設したアパレルショップなどは手掛けてきたが、「単独で利益が出る店をやりたい」など考えていたという。そうした中、「キャスキッドソン」のカフェ「キャスカフェ」の運営を委託するなど、かつて付き合いがあったトランジットの中村貞裕社長から紹介を受け、同ブランドの国内展開を決めた。
D.A.B. PASTRY濱田博人社長は「アンセルさんのクリエーティビティーにほれた」と言い、「また来たいと思うとともに、大切な人に紹介したくなる店にしていきたい」と意欲を見せる。同社は多店舗化を計画しているが2店舗目は「早くて」来年。東京近郊から出店を進め、ゆくゆくは国内各地の主要都市に10店舗を展開したい考え。
営業時間は8時~19時(2階は9時~)。2階は連日、オープンから当日分の整理券を配布する。