ラフォーレ原宿(渋谷区神宮前1)2階・フードゾーン「GOOD MEAL MARKET」内に4月29日、オーストラリア発メキシカン・ファストフード「Guzman y Gomez(グズマン イー ゴメズ、以下GYG)」の日本1号店(TEL 03-3470-0770)がオープンした。経営はトランジットメキシカンフードオペレーション(港区南青山3同)。
NY生まれ・育ちのスティーブン・マークスさんが立ち上げた同ブランド。メキシコ人の友人も多くメキシカンは「なじみ深い食べ物」だったが、2002年にオーストラリアへ移住した際に「おいしいメキシカンがなかった」ことから、自身でブランドを立ち上げたという。2006年の1号店を皮切りに豪国内に58店舗(4月30日現在)を展開している。
トランジットメキシカンフードオペレーションはトランジットジェネラルオフィスの子会社。同社は同ブランドと同じ豪発「bills」のオペレーションを手掛けていることもあり、2年ほど前に中村貞裕社長がオーストラリアを視察した際に出合ったという。
日本1号店は、NYのフードコート「ゴッサム・ウエスト・マーケット」からインスピレーションを受けフードエリア内に出店。店舗面積は198平方メートル。専用の席数は51席を用意。店舗デザインは世界共通で、マークスさんの友人の父親「グズマン」さんと「ゴメズ」さんの似顔絵のロゴが目を引く。カウンターにはメキシコ・プエブラ州から輸入するタイルを使うほか、ベンチなどは「ラテンポップでカラフル」で客席壁面にはメキシコのアーティストが同店のために描いた全長4.5メートルの「アマネセール(スペイン語で夜明け)」を展示。BGMにはNYのDJがミックスしたラテンポップ音楽を流す。一角にはテーブル・サッカーも設置した。
「フレッシュな」食材とハンドメードにこだわる同店。食材はオージービーフや豪州産豚肉、ローマトマト、メキシコ産アボカド、スパニッシュオニオンなどを使い、肉はグリル用の鉄板で焼いたり、ポークは低温で4~5時間煮込み手でほぐしたり作り方にもこだわる。トマトにオニオン・コリアンダー・レモンを加えて作るサルサ「ピコ・デ・ガヨ」やアボカドにピコ・デ・ガヨやハラペーニョなどを加えるディップ「ワカモレ」などは当日手作りする。
野菜・肉・米・豆・チーズをトルティーヤで巻く「ブリトー」(レギュラー750円、ラージ1,200円)や、サルサなどを挟む「タコス」(2個850円、3個1,000円)など。全メニュー、オージービーフを使うビーフや豪産豚の肩肉を使うポーク、白身魚などから追加で挟む1種を選べ、ワカモレの追加や米の変更(50円~)などでカスタマイズもできるのが特長。レジ横には、コリアンダーやハラペーニョピクルス、3段階の辛さを用意するソースなどが無料の「サルサステーション」も用意している。日本限定でスパイシーチョコレートソースのチュロス(450円)も扱う。料理は注文を受けてから作るため、提供には4~8分ほどかかる。客単価は1,000円ほどを見込む。
オープン初日にはブリトーを無料配布する「フリーブリトーデー」を実施し5310人が来店。オープン前に341人が並び、先頭は8時から開店を待っていたという。
日本には5・6回訪れているというマークスさんは、2013年ごろから日本進出を考えており1号店のオープンを「とても楽しみにしていた」という。「本物であることにこだわっている。味、音楽、アートなどすべてひっくるめてラテンの文化に圧倒されてほしい。絶対にがっかりさせないことを約束する」と自信をみせる。
中村さんは同ブランドを「ちょっとリッチでセンスの良いファストフード。健康的で時代に合っているのでは」と言い、「2020年の東京五輪・パラリンピックで外国人の訪日が増えると見込まれる中、インターナショナルフードが少ないと感じている。日本ではまだなじみはないかもしれないが、世界では定番のメキシカンをゆっくり時間をかけて日常に根付かせていきたい」と意欲を見せる。「偶然にも『タコベル』が同時期にオープンしたので一緒に盛り上げていきたい」とも。
今年中に都内にもう1店舗の出店を予定しているほか、5年で首都圏に10店舗を出店。20年で全国に100店舗の展開を視野に入れる。トランジットメキシカンフードオペレーションは日本におけるマスターフランチャイズ契約を締結しているため、直営は首都圏に集中させ、地方への展開はFCで展開していきたい考え。
営業時間は11時~21時。