神宮前交差点近くに4月29日、台湾発かき氷「ICE MONSTER」の日本1号店「ICE MONSTER OMOTESANDO(アイスモンスター 表参道)」(渋谷区神宮前6、TEL 03-6427-4100)がオープンする。
1997年に創業した同店。創設者でオーナーの羅駿樺(フランク・ロー)さんが台北・永康街(ヨンカンジェ)にオープンした「マンゴーかき氷」発祥の店「INE MONSTER・ピングァン」を移転・リニューアルし、2012年に忠孝(チュウコウ)に出店したのが「アイスモンスター」。日本の雑誌やテレビなどでも取り上げられていることもあり、約4割が日本人観光客だという。現在は台湾に2店舗、中国・北京に1店舗を展開している。
昨夏、トランジットジェネラルオフィス(港区北青山3、以下トランジット)の中村貞裕社長が同店のかき氷を食べ「食べたことがない食感に衝撃を覚えた」ことから、日本への展開を打診。かき氷が昨年ごろから注目を集めており、今年「ブレークする」と見越して約1年での出店を実現させた。
経営は同社と片岡物産(港区)がパートナーシップを組み、昨年12月に立ち上げたアイスモンスタージャパン(北青山3)が手掛ける。トランジットは店舗オペレーション、片岡物産は製氷などの工場オペレーションや食材の輸入など、互いの強みを生かしていく。
場所は片岡物産が出店していたカフェ「ラバッツァ」跡。台湾の店舗が若い女性や日本の修学旅行生の来店が多かったことから、同層が多い表参道エリアを選んだ。店舗面積は1階~3階の3フロア計170平方メートル。席数は店内94席、3階テラス6席を用意(オープン当初は1~2階のみの営業予定)。フルーツは木に実ることから店舗は木を多用しており、1階の天井は木で格子模様を作ることで表参道のケヤキ並木との一体感を表現。「リラックスできる」店内を目指した。
フルーツやコーヒー・紅茶などの味を再現したオリジナルの氷(=フレーバーアイスブロック)を使い、薄く削って作る「ふわふわ」な食感が特徴。日本でも本国そのままの食感で提供するという。食材は台湾本国とは異なり、国内外問わず「その時々で良いもの」や片岡物産が輸入を手掛けているものなどを使いながらも台湾と同じレシピで作る。
メニューは、マンゴーアイスブロックを削り、マンゴーシャーベットやマンゴーソースを絡めたマンゴー果実などをトッピングする「マンゴーかき氷」(1,500円)や、ミルクティーフレーバーのかき氷にパンナコッタや温かいタピオカをのせる「タピオカ付きミルクティーかき氷」(1,000円)、コーヒーフレーバーのかき氷にクッキークリームアイスクリームやコーヒーゼリーなどをトッピングする「コーヒーかき氷」(1,200円)など。 季節限定の「パイナップルかき氷」(1,500円)や日本限定の「烏龍(ウーロン)茶かき氷」(1,200円)、日本オリジナルメニューとなるマンゴーとイチゴのソフトクリーム(500円)やドリンクなどもそろえる。客単価は1,000円ほどを見込む。
オープンに向け来日したローさんは「緊張しているがベストなものを提供したい」と意欲を見せる。フレーバーアイスブロックについては「まるでフルーツを食べているかのようなフレッシュ感や食感を出したかった」と開発経緯を振り返る。「かき氷と言えばICE MONSTERと連想してもらえるくらい日本に浸透すれば」と期待を込め、「台湾で食べられているものを日本でも提供する責任がある。本物のかき氷を味わってもらえると自信を持っている」と話す。
アイスモンスタージャパンの共同代表の垂水謙児さん(トランジット副社長)と嶋田哲治さん(片岡物産・執行役員マーケティング副部長)は、「台湾でやっていることを大切に情熱なども伝えていきたい」(垂水さん)、「リスペクトしながら、(かき氷業界の)ナンバーワンを目指したい」とそれぞれ意気込む。同社は首都圏を中心に2018年までに3~5店舗の出店を目指す。
営業時間は11時~21時。同店では混雑緩和を図り店頭の機械でその日分の整理券を配布する。