東急電鉄は2020年をめどに、東横線・田園都市線・大井町線の全64駅にホームドアを設置することを決定した。
高齢化などからバリアフリー整備が進む社会情勢の変化に合わせ、ホームの安全対策を「重要な課題」と位置付け、内方線付点字ブロックや非常停止ボタン、ホーム安全冊の設置などを進めてきた同社。
ホームドアの設置はさまざまな課題から一部の駅にとどまっていたが、従来の計画から10年以上短縮し、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年を目指し設置を進める。ホームドアを設置することで、ホームからの転落事故を「大幅に」減少するほか、東急線で発生した輸送障害の8割ほどを占める(2013年度)列車との接触事故が減少し、電車が長時間停止することが少なくなると見込む。
2013年の東京メトロ副都心線との相互直通運転に伴い、日比谷線との直通運転を廃止した東横線は、列車の規格が統一されたことからホームドアの設置を進められるようになり、昨年末の時点で渋谷・中目黒・学芸大学の3駅が設置済みとなっている。そのほか、大井町線は大井町1駅、目黒線全13駅と池上線・多摩川線全22駅が設置済みで、2014年度は代官山・武蔵小杉・横浜の東横線3駅、2015年度は菊名や大井町線溝の口など10駅に設置を予定する。
ドアの位置が異なる車両が混在しているため、全27駅でホームドアを設置できていない田園都市線。6ドア車45両を4ドア車に置き換えることで車両のドア位置の課題を解消し、ホームドアの設置に着手する。
いずれもセンサー付固定式ホーム冊を予定するが、一部の駅では昇降式ホームドアも検討するという。横浜高速鉄道が保有し、東急電鉄が運行を受託するこどもの国線と、最高速度が約40キロで路上に敷設したレール上を走る軌道線である世田谷線には設置しない。