渋谷・松濤の「観世能楽堂」(渋谷区松濤1、TEL 03-3469-5241)が2016年、銀座松坂屋跡地を中心に建設中の複合ビルに移転する。
観世流の活動拠点となる同施設は1972(昭和47)年に開場。敷地面積は約700坪。場内には席数は552席を用意。観世会主催の公演を毎年年約26公演、観世会会員の各同門会などの公演を年約130公演以上行っている。開場から40年以上がたち老朽化が進み、耐震構造などを備えるには設備投資が必要であることや、住宅地であるため建て替えも難しいことから移転を決めた。
移転する複合ビルはJ.フロントリテイリングや森ビルなど4社が施設計画と運営を手掛ける。地下6階~地上13階で、延べ床面積約14万7900平方メートル。商業施設やオフィスなどのほか、銀座エリア唯一となる大型観光バスの発着ターミナルも備える。
新しい観世能楽堂は地下3階に開場。現在の観世能楽堂とほぼ同規模になるが、席間を広くしたりシートを大きくしたりするため、席数は少し減る見込み。舞台は現在の観世能楽堂のものを移築する。
現在の能楽堂は2015年3月末に閉場予定で、「観世能楽堂さよなら公演」を行う。新しい観世能楽堂が完成するまでは梅若能楽学院会館(中野区)の舞台で観世会主催公演を行う。同ビルは2016年11月完成予定。