マルイシティ渋谷(渋谷区神南1)が2015年度内にも、「渋谷モディ(仮称)」に業態転換する。
丸井グループ(中野区)は、ヤング向けのアパレルを中心とした店づくりを行ってきたが、少子高齢化やファストファッションの台頭などからアパレルの売り上げが苦戦。10年前は7割が20代以下だった来店客も現在は20代・30代がそれぞれ3割、40代が2割と変化。幅広いニーズに応えるため、雑貨やカフェ、飲食店などサービステナントの拡充を図っている。
その第1弾として5月に町田マルイ(町田市)を全面改装し、アパレルを約3割まで絞った。町田には2006年に「町田モディ」(同)も出店しており、両業態の強みを生かすことで共存が図れると判断した。現在のマルイシティ渋谷は6割が、マルイジャム渋谷(神南1)は7割が20代と、渋谷の客層は他エリアと比べ少し若いが、店の数は6~7割ほどがアパレルという従来のマルイから脱していないこともあり改装を決めた。
マルイシティ渋谷の店舗面積は地下1階~9階の10フロア計約9100平方メートル。店舗数は約60店。「渋谷モディ(仮称)」では、これまでの仕入れ販売から定期借家契約(=テナント型)に転換することで収益の改善・安定化を図る。ターゲットは30~40代。地下1階~9階の各フロアにカフェを配置し、4階には大規模なカフェの誘致を図る。核となるのは中層(5~7)階に位置し2~3フロアにまたがるブックス&カルチャーフロアで、書店やカフェ、イベントスペースなどを複合的に展開予定。夜間も営業する上層階のカフェ用にエレベーターも増設するという。運営は現在の丸井(中野区)から同じグループ会社のエイムクリエイツ(同)に変わる。
同時にマルイジャム渋谷も改装。店舗面積は1階~8階の8フロア計約4400平方メートル。店舗数は約40店。シューズや雑貨などのプライベートブランド(自社製品)や自社編集売り場とテナント区画を複合した店舗にするほか、飲食店の強化も検討しているという。
丸井グループは1958(昭和33)年に渋谷店(現マルイジャム渋谷)を開業し、1976(昭和51)年に現在のマルイシティ渋谷の前身となるインテリア中心の館を出店。1985(昭和60)年に複数のビルを統合し現在の建物に増床すると共に「渋谷店本館」と改め、渋谷店は「丸井渋谷店ヤング館」に変更した。1998年に本館は「マルイシティ渋谷」に、2004年にヤング館は「マルイジャム渋谷」となった。かねては1991年にインザルームとして出店し、1998年に改めた「マルイワン渋谷」(2004年閉店、現・渋谷シダックスビレッジクラブ)も営業していた。
改装に当たっては時期をずらして両館一時、全館休館する見込み。