国立代々木競技場の敷地内にある多目的ホール「AiiA Theater Tokyo(アイアシアタートーキョー)」(渋谷区神南2)が2015年3月中旬から、「2.5次元ミュージカル」専用劇場として営業する。
2.5次元ミュージカルとは、2次元で描かれた漫画やアニメ、ゲームを舞台化したもの。演者が登場人物の髪形や衣装をまねているのも特徴的。1974(昭和49)年の「ベルサイユのばら」をはじめ、「美少女戦士セーラームーン」(1993年)、「ハンター×ハンター」(2000年)などが舞台化され、2015年には「デスノート」の公演も決まっている。
2003年の初演以来、現在も公演が続く人気公演「テニスの王子様」(通称テニミュ)を機に広く知れ渡るようになり、昨年は約70本の2.5次元ミュージカルが上演され、延べ160万人以上が観劇。作品により異なるが、客層は8割ほどが女性で10~20代前半が中心。それまで「芝居を見たことがなかった人」も多いという。
今年3月には、舞台制作会社・ネルケプランニングや舞台制作なども手掛けるマーベラスAQL、アニメ制作会社・ぴえろ、芸能事務所・ホリプロなどが参加する日本2.5次元ミュージカル協会(目黒区東山1)が設立。国内公演の品質向上や海外進出を目指し活動している。
現在、同ミュージカルは各地の劇場などで上演しており、専用劇場の設置は初となる。使用する同ホールは2012年、マッスルミュージカルの専用劇場「マッスルシアター」跡に開業。席数は800席ほど。コンサートやダンス・トークなどのイベントを行うほか、2.5次元ミュージカルも公演している。期間中は同協会が借り上げ、同ミュージカル専用劇場とする。看板などは変更するが、既存の舞台設備はそのまま使用する。
海外での上演も本格的に始動するなど、外国人のファン拡大を図る同協会。現在は国外からチケットを購入することが困難であったり、日本語のみでの上演だったりするが、専用劇場では外国人向けのサービスを整える予定。専用劇場を設けたことで、ツアー商品への組み込みも見込む。
公演演目などは未定。使用期間は1年間。